閉じる

PICK UP

働き方革命最前線 ─ポストAI時代のワークスタイル

shutterstock.com

講演会などで、これからの働き方などについてお話させていただく機会が増えているのですが、主に学生や若い社会人の方から、似たような質問を受けることがあります。それが「好きなこと、やりがいを見つけたいのですが、そもそも何が好きかわかりません」というものです。

これに関しては、最近はやりがい偏重というか、必要以上に「好きなことを見つけなくてはならない」と思い込んでいる方が多いように感じています。僕としては、別に好きなことだけではなく、自然と自分にできること、やりがいを感じるようなことを意識して伸ばしていく、というように拙著などでもご提案させていただいているので、今回は改めてその具体的な方法をお話しようと思います。

参考として、今、経営学で注目されている「エフェクチュエーション」について説明します。

エフェクチュエーションとは繰り返し手段を変え、ゴールを上書きしていく循環を作っていくための柔軟な思考プロセスの理論のこと。もともとは、優秀な起業家に共通した考え方を抽出し、メソッド化したものなのですが、自分の能力を見つけて伸ばしていくのにも非常に有効なので、若い方の参考になるのではないかと思います。

念のため、注目されている背景を簡単に説明すると、過去のマーケティングは「ゴールを定めて手段を設定する」というものだったのが、変化する時代においては、「一度定めたゴールを何度も上書きする」必要が出てきたからです。

ではどう実践するのか? そのためには、5つの原則がありますが、ここではそのうちの4つをご紹介します。

1つ目は、「手の中の鳥(Bird in hand)の原則」。童話「青い鳥」は、幸せになれるという鳥を探して冒険に出るのだけど、帰って来たら家の中にいた、というお話です。つまりすでに手の中にある幸せ、自分にとっては当たり前の能力や、できることから始めてみよう、という原則です。

例えば以前ゆうこすさんと対談したとき、彼女が芸能事務所を立ち上げ、オーディションをしてみたら、その多くが「バラエティで活躍できるマルチタレントになりたい」とのことで、非常に勿体ないとお話されていました。

ここでいうマルチタレント=青い鳥に当たります。なので、規定路線を目的に据える前に、まず手の中にある魅力に自分で気づき、言語化して「自分を端的に言い表すキャッチコピーを作るべき」だそうです。これには僕も賛成で、まずは手の中の鳥をどうやって羽ばたかせるか、思案したほうがいいと思います。

文=尾原和啓

あなたにおすすめ

合わせて読みたい