これが進んできたら、転んでも大丈夫なレベルでたくさん失敗してみることです。それを「許容可能な損失(Affordable Loss)の原則」と言います。小さな失敗のなかから偶然のアイデアが見えてくるかもしれないし、自分の強みが生まれるかもしれません。そのためにも、安全な道からちょっとはみ出してみることが大事なのです。
また、「レモネードの原則」は、形が悪くて売り物にならないレモンをレモネードにする、という逆転の発想です。失敗作でも発想の転換をして考える姿勢で、どんな機会もチャンスに繋げる精神で進みます。
次が「クレイジーキルトの原則」。自分ができることからアイデアをスタートさせると、だんだんと人脈ができていきます。 そういった偶然の出会いから、自分の能力に気づかされることもあります。つまり、手の中の鳥をどんどん外界に晒して、偶然性や予期せぬ結果から、さらに新しい目的に進んでいくのです。
中には、競合相手になりそうな人もいるかもしれません。しかしエフェクチュエーションらしい考え方としては、例え競合相手でも「自分のアイデアとどう絡めることができるか」「こんな風にコラボしたら面白いかも」と考えます。つまり、どんな人脈も柔軟に捉え、生かすように紡いでいけばカラフルなパッチワークになる、自分の売りを大きな絵のように捉えられるようになる、ということです。
この4つを小さなループでどんどん回していくうちに、自分だけの強みや意味合いに気付けていけると思います。
さらに大事なことは、ゴールを上書きすると、同時に自分の意味合いも更新される、ということです。初めから世の中の需要や、今流行っているビジネスなどを意識しすぎると、かえって自分の能力に何も気付けないままになってしまうので、まずは自分の手の中をよく見つめることから始めてみてはいかがでしょうか。
連載 : 働き方革命最前線──ポストAI時代のワークスタイル
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