ビジネス

2018.07.25 18:30

「この分野で生きる」と決めなくてもいい? 若手起業家が先輩に聞いてみた

(左)新居日南恵 manma代表取締役社長、(右)山田メユミ アイスタイル取締役兼CQO

日本で最も女性が活躍できる企業と、キャリアを自身でを切り開いている女性たちを表彰するForbes JAPAN WOMEN AWARDの企業エントリーが今年も始まった

始動を記念して、2017年のルーキー賞受賞者、新居日南恵を聞き手に迎えた新連載がスタート。学生を子育て家庭に送り込む「家族留学」事業などを提供する「mamma」の代表として、同世代の不安や悩みと向き合い続けてきた独自の視点から、今ビジネスの一線で活躍する先輩がどう若手時代を過ごしてきたのかを聞いていく。

第一回目は、同年にグランプリに輝いたアイスタイル取締役兼CQOの山田メユミをゲストに迎えた。

仕事の経験を早く積むことで、可能性が広がる

新居日南恵(以下、新居):今回の連載が始まるにあたり、初回のお相手はぜひ山田さんをと願っていたので、実現して嬉しいです。

山田メユミ(以下、山田):こちらこそ、連載の第一回目のゲストということで大変光栄です。参考になるようなお話ができるといいのですが。

新居:以前は、結婚して子どもを持つことが当たり前という価値観があったと思います。ですが今は、結婚することも子どもを持つことも、人生の選択肢のひとつとして捉える人が増えてきました。

とはいえ、出産はキャリアに及ぼす影響が大きいことは変わらない事実としてあります。今の20代は、仕事に没頭してキャリアを積んでから出産を考えるのか、早く出産を経験したのちにキャリアを積んでいくのか、悩む人も多いです。

山田:そうですね。私自身はそういったことは全然考えてきませんでしたが、体験談としてひとつ言えるのは、「仕事は、やれるときに集中してやった方がいい」ということです。

「部下を持つ自信がない」とか「新規部署だとパフォーマンスが出せるかどうか心配」など、新しい挑戦を前にして不安を感じるのは自然なことですが、起こっていないことを心配しすぎるのはもったいないです。目の前にチャンスがきたなら、ぜひ思いきって飛び込んでやってみて欲しい。そこから必ず世界は広がっていきます。

出産についてはどうしても時間に限りがあるので、希望しても叶わない可能性も出てきてしまいます。私はそういったことに対する意識が薄いままに過ごしてきてしまったのですが、そう考えれば、ある程度早い段階から計画的に準備することも大切だと今になってみれば思います。

だからこそ、起業であっても新しいプロジェクトへの参加であっても、仕事におけるチャレンジは、チャンスがきたら躊躇せず飛び込んだ方がいいと思います。

私自身は妊活を始めたタイミングが比較的遅く、40歳で第一子を出産するまでの間、仕事に没頭してきました。それでも今尚思うことは、「人生において、自分の思うがまま、おもいきり自由に使える時間って案外短いな」ということです。

新居:山田さんが起業されたのは、26歳とうかがっています。

山田:そうです。今振り返ってみても、早く起業してよかったと思います。

新居:それはなぜですか。

山田:若くて、なにも知らなった故に、どんな状況にもどんな相手にも、臆せず飛び込んでこれたからです。年齢や経験を重ねるにつれ、どうしても、「この状況だとちょっと難しいかな」という固定概念や、「これくらいでやめておこう」と力配分を加減して無駄なくやろうとしてしまいがちですから。

新居:勇気をいただけるお話です。「スキルがついてから・状況が整ってからはじめるべき」という考えもありますが、私自身、「まずやってみて、足りないことを都度学びながら」と思いつつも、迷うこともあるので。

山田:もちろん、準備が整った上でそのときが来てくれれば、ちょうどいいとは思いますが、私の場合はそうではありませんでした。正しかったかどうかはわかりませんが、何もわからない中で、とにかく貪欲にがむしゃらにやってきた経験は、私の大きな財産になっていると思います。
次ページ > サービス立ち上げ当時に、支えとなった存在とは?

文=伊勢 真穂

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事