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地方発イノベーションの秘訣

Transform Africa Summit 2018の会場でひときわ目立ったジャパン・パビリオン

にわかには信じがたいが、アフリカ中央部にある小国のルワンダ共和国で、日本からの官民をあげたスタートアップ投資が急速に拡大している。

1994年のジェノサイド(大虐殺)が連想されがちなルワンダだが、現在はアフリカ諸国では群を抜く政治的安定を誇り、周辺諸国では類を見ない「治安の良さ」と「汚職のなさ」を実現している。

世界銀行が発表する「Doing Business 2018」では、ビジネス環境の良さはアフリカ大陸でトップ、世界ランクでも第41位と、第34位の日本とさほど変わらない位置にある。

元サムライインキュベートがアフリカファンドを創設

ベンチャーキャピタルである「サムライインキュベート」の元社員である寺久保拓摩さんは5月28日、ルワンダを含む東アフリカのスタートアップ企業に投資するファンド「Leapfrog Ventures Inc.」を設立し、その代表に就任すると発表した。

サムライインキュベートといえば、シード段階での積極的な投資と、早くからテクノロジー先進国であるイスラエルに注目していたことで知られる。

寺久保さんによると、1社あたり300万円から500万円を、5年かけて100社に投資するという。また、ファンドに出資している日本の企業の要求に合わせ、投資先の現地企業と組んで、日本では規制があるために実現できない「ドローンによる荷物運送」や「ICTを使った遠隔地医療」などの社会実験を行う方向で、ルワンダ政府と調整を進めている。

日本の企業としては、実験結果を日本に持ち帰ることで、国内でのビジネス展開の試金石としたい考えだ。

毎年5月ルワンダの首都キガリで、アフリカ最大のICT国際会議「Transform Africa Summit」が開催されるが、3年前からこの国に注目し、ICT分野で交流してきた神戸市は、昨年初めてこのサミットに参加した。その年、神戸市のブース以外に、サミットに日本企業の姿はなかった。

ところが今年のサミットでは、日本政府として、総務省、国際協力機構(JICA)及び神戸市による「ジャパン・パビリオン(日本館)」を開設した。パビリオンにはNECやNTTグループのIIJといった民間企業など20社が名を連ねた。パビリオン以外にも約10社の日本企業が参加し、会議場では日本人の姿が目立った。


ルワンダ共和国・カガメ大統領(一番左)がジャパン・パビリオンを訪問

この年、国として展示ブースを出したのは、日本以外にはICT先進国で知られるエストニアだけだった。駐ルワンダ日本国大使公邸で開かれた晩餐会には、日本から出張してきた約100名近くも招待された。

大使公邸にこれだけの出張者が集まったのは初めてという。この1か月後に、ルワンダに移住することになった寺久保さんも、この夜マイクを手にすると、ルワンダでの事業構想を熱く語った。

文=多名部重則

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