そんなネット上の恋愛詐欺を防止するため、Lunch Actually GroupがAIとブロックチェーン技術を組み合わせた「ヴィオラAI(VIOLA AI)」という新しい恋愛マッチングサービスを展開し、注目を浴びている。
Lunch Actually Groupは2004年にシンガポールに設立され、現在アジア6カ国でサービスを運営している、東南アジア最大規模の“出会い系サービス企業”。サービスを通じて誕生したカップルは、約3010万組とされている。
一方、サービスを順調に拡大する同社にも悩みがあった。それは、規模が大きくなればなるほど、プロフィール詐称や詐欺目的の輩が増え、ユーザーが恋人を探すプロセスの信頼と透明性が低下するというものだ。
同社CEOのViolet Lim氏は、「昨年、米国だけでラブ・スキャムが1万5000件発生し、2億1000万ドルの経済的損失が出た」と業界内の課題を指摘しながら、「ヴィオラAIは関係の信頼を確保するためのブロックチェーン技術と、マッチング成功率を高めるAIが融合したサービス」と自社の新しいサービスについて説明している。
ヴィオラAIは、まず利用者がアップロードした写真データが本人自身のものか、顔認識技術で検証する。また、職業、学歴など他のプロフィール内容も、SNSなどユーザーの“オンライン活動情報”と照らして合わせて真偽を判別する。この検証プロセスは自動的に行われ、登録条件を満たしていればそのデータがブロックチェーンに記録されるという寸法だ。
Lim氏は、「既婚」の人が「未婚」と設定を偽ったり、また他人のプロフィールを盗用する行為が自動的にろ過されると説明している。
ヴィオラAIではその後、自分に相性が良い相手見つける作業をAIが支援してくれる。性格や口調などを分析し相手を推薦するだけでなく、贈り物、デートコースなどもカスタムで設計してくれる。いわゆる「ラブAI」と呼ばれる同機能には、心理学専攻や関連の学位を持った専門家グループが作成したデータベースが活用されている。
なお、一般ユーザーがアップロードするデートに有用な情報もデータベースに蓄積されるのだが、その際、情報提供者はヴィオラAI内で発行されている仮想通貨「ヴィオラトークン」を受けとることが可能となっている。