Close

PICK UP

AI通信「こんなとこにも人工知能」

Phonlamai Photo / shutterstock

ここ数年、「人工知能が仕事を奪う」という話題が世界中で尽きないが、今回、韓国ではLG経済研究院が大規模な調査を行った。その結果、韓国・国内雇用のうち43%がいずれAIによって代替される「高リスク群」(代替可能性70%以上)であると分析された。

LG経済研究院の報告書「人工知能による雇用リスク診断」によれば、韓国の全就業者2660万人(2017年上半期時点)のうち、1136万人がその「高リスク群」の職業に従事する働き手であるという。

一方、代替可能性が30〜70%の「中リスク群」に従事する人々は1036万人(39%)。30%未満の「低リスク群」に従事する人々は486万人(18%)とされた。

報告書は、「事務職」「販売職」「機械の操作および組立」が、特に代替リスクが高い職種だと指摘した。韓国で同職種・カテゴリーの従事者数は約818万人とされている。

まず事務職は、人工知能が書類の分析、レポートの作成、メールの返信、人事採用、成果支給など「ホワイトカラー業務」の多くを担うようになる見通しの上で、代替リスクの高まりが指摘された。

一方、販売職は「アマゾン・ゴー」のような無人店舗の拡大を背景に、また機械操作および組立は製造業の工程を人工知能で制御する「スマートファクトリー」の出現などによって脅かされるだろうと指摘されている。

通関士、会計士、税理士など専門職の一部も「高リスク群」に含まれた。いずれも、自動化リスクが高い上位20職種にランクインしている。

一方で、人工知能が代替することが困難な職業としては「保健」「教育」「研究」など、人間とのコミュニケーションや、高度な知的能力が必要な職種が選ばれた。なかでも栄養士は代替確率が0.004%にとどまり、最も代替リスクが低い職種のひとつとされた。

また医者(0.004%)、教育関連の専門家(0.004%)、聖職者(0.017%)、工学技術者および研究者(0.017%)なども代替リスクが非常に低くい職種に分類されている。

報告書は、個人や企業、政府に対応策を迫った。まず個人に対しては、「創造性、対人関係能力など人間固有の能力に、人工知能を活用できる能力を結合」する必要があると強調した。企業には、「人工知能の時代に対応できる柔軟な組織構造を用意すること」、また「人工知能を活用に不可欠なデータを確保に対する試行錯誤」を提言している。

最後に、政府には「さまざまな雇用形態や、弾力性のある人材運用が可能な柔軟な労働市場を設け、同時に社会のセーフティーネットを拡充しなければならない」と強調した。

人工知能を使ったサービスは、ここ数年で着実に実用化し始めている。今後、そのスピードはさらに加速していくだろう。仕事場で自分自身の能力を顧みると同時に、人間が持つ固有の能力とは何か、個々人が悩んでみるべきかもしれない。

文=河鐘基

記事が気に入ったら
いいね!しよう

LIKE @Forbesjapan

Forbesjapanを
フォローしよう

FOLLOW @Forbesjapan

あなたにおすすめ

合わせて読みたい