人は生活の大部分を職場で過ごしている。米求人情報サイトを運営するキャリアビルダー(CareerBuilder)の年次調査によると、米国では約40%の人が同僚と付き合った経験がある。それでも、職場恋愛は必ずハッピーエンドを迎えるわけではない。関係が破綻すれば裁判に発展したり、生産性の低下や同僚の間での緊張感を生んだりする。
米国の著名な交際専門家、パティ・スタンガーは先日筆者の取材に対し、職場恋愛の極意を語った。スタンガーはエリート向けパートナー紹介企業、ミリオネアズ・クラブ(Millionaire’s Club)設立者で、リアリティー番組「ミリオンダラー・マッチメーカー(Million Dollar Matchmaker)」のエグゼクティブプロデューサーと司会を務める。
スタンガーによると、社員が職場恋愛の微妙な局面を切り抜けられるようにするために、企業はセクハラ問題の標準的な研修に加え、社内の交際規則に関する研修を行う必要がある。スタンガーの挙げた職場恋愛の6つのポイントは次の通り。
1. 誘った相手の動機を見極める
同僚と交際するとき、まず自己防衛としてすべきことは、相手の隠れた動機を探ることだ。これは、上司、平社員、中間管理職などの立場にかかわらず重要な点だ。
相手が期待するのはキャリアアップか、体だけの関係か、それともあなたとの真の関係構築か──。職場恋愛にはリスクが伴う。関係を持つ前にきちんと話しておけば、誘いを受けるかどうかを決められる。
2. 同僚が2人の関係をどう思うか考える
職場で2人の交際がどう思われるかを自問する。あなたを中傷し、陰口をたたく人が出るだろうか? 職場でのうわさ話にどう対処するかは前もって決めておこう。また、人事部に連絡して2人の関係を明らかにするにはこの時が最適かもしれない。企業は、従業員が安心してこうした話題を議論できるオープンな場を設けるべきだ。
3. 職場では適切な行動を取る
勤務中は、交際相手ではなく仕事に集中すべきだ。休憩室で会っていちゃつく、会議への移動中に手をつなぐなどは避ける。会社はビジネスの場なので、公衆の面前での愛情表現は慎むべきだ。また、定時過ぎの職場や会社の敷地内でロマンチックな時間を過ごそうとしない。映画では素敵に見えても、同僚に見つかって通報されればキャリアが危機にさらされかねない。