「5分の運動」でも死亡率は下がる 暇な時間は体を動かそう

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大学時代に同級生のひとりが、研究に集中するために運動の時間がとれなくなってしまったことがある。そこで彼は、どこに行くにも全速力で走ることにした。トイレに行くときも、ディナーに行くときも、授業や図書館に行くときも、そしてデートに行くときも(これはあまり頻繁ではなかったが)。

こうした数分間の激しい運動には、通常のエクササイズと同様の効果があるのだろうか? 「Journal of the American Heart Association」に掲載された研究によれば、その可能性はあるという。もしあなたが死ぬことを心配しているのであれば、ということだが。

アメリカ国立がん研究所とデューク大学の研究者たちによって行われた研究によれば、一時的に集中して運動を行っても、時間をかけて軽い運動を行っても、寿命を伸ばす効果があることには変わりはないという。この研究は、「運動は最低でも10分行わなければ意味がない」という一般的に思われている考えを覆すものである。また、トイレに行くのに走る理由にもなる。

研究者たちは、米国国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey: NHANES)に参加する40歳以上の成人4840人のデータを分析した。被験者たちは最大1週間加速度計を装着して暮らし、研究者たちは、彼らがいつ、どのくらい運動を行ったかを測定。「中程度から激しい運動」がどのくらい行われたかを観察した。

アメリカ心臓協会によれば、「中程度の運動」には下記が当てはまる。

・てきぱきと歩く(時速4.8メートル以上。ただし競歩のように歩いてはいけない)
・アクアビクス(水泳を除く水中トレーニング)
・サイクリング(時速16メートル以下)
・テニス(ダブルスの場合、パートナーがロジャー・フェデラーでないと仮定する)
・社交ダンス(この場合、パートナーはロジャー・フェデラーでも可)
・ガーデニング全般
※ロジャー・フェデラーについての言及はアメリカ心臓協会によるものではない

研究者たちは、下記の方法で被験者たちの運動を測定した

・運動を行った合計時間
・5分以上の運動を行った回数
・10分以上の運動を行った回数

研究者たちはまた、2011年以降に死亡した被験者700人の記録も参照した。

これらの情報から、研究者たちは運動量と死亡率の相関を求めた結果、5分以上の運動と10分以上の運動では運動の効果に違いがないことがわかった。
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翻訳・編集=宮本裕人

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