米食品マーケティング協会(FMI)と調査会社ニールセンが共同で行った調査によれば、米国の生鮮食料品市場は、同年までに6410億ドル規模に拡大。オンライン販売による売上高は、このうち2~4.3%を占めることになると見られている。
小売業界において、電子商取引の関連技術が次に破壊的な変化をもたらすのは、生鮮食料品分野だとされている。そして、こうした変化を主導するのは当然ながら、インターネット通販最大手のアマゾンだ。
電子商取引分野を専門とする調査会社ワンクリック・リテールによると、生鮮食料品のオンライン販売市場におけるアマゾンの市場シェアは、18%となっている。生鮮食料品部門でアマゾンが最も多くの売上高を上げているのは、「飲料」だ。次いで、「コーヒー」「スナック食品」「朝食用(加工)食品」「キャンディー・砂糖菓子類」となっている。
消費者は当初、こうした保存の利く食料品をオンラインで注文。配達にも問題がないことが分かると、乳製品や肉、冷凍食品、野菜や果物も購入するようになる。
アマゾンが持つ数々の強み
アマゾンの忠実な顧客であるプライムメンバー(会員数は推計8000万~9000万人、実数は非公開)は、日用品や加工食品、生鮮食料品を注文できる「アマゾン・パントリー」が利用可能だ。一般的な食料品店と同様に、週ごとに対象商品が変わる値引きや、クーポンの発行なども行われている。
さらに、アマゾンは傘下に、生鮮食料品の販売に関する戦略を支える自然食品スーパーマーケット、ホールフーズを擁する。ワンクリック・リテールによれば、昨年8月にアマゾンが買収したホールフーズのプライベートブランド「365エブリデイバリュー」は買収からわずか4か月後、アマゾンが扱うブランド別の売上高で2位となっている(1位は「アマゾン・ベーシック」)。