2017年を揺るがしたセクハラ問題 キャリアを失った米著名人たち

主演のドラマシリーズからも降板した、ケヴィン・スペイシー(Photo by Mike Coppola/Getty Images for Tony Awards Productions)

今年は非常に多くの著名人が、セクハラなど性的な問題によってキャリアの崩壊を経験した。ここでは、セクハラ疑惑で地位を失ったり大きな損害を被ったりした有名人の一部を紹介する。

マリオ・バターリ

グルメ界の巨匠で、料理バラエティー番組「料理の鉄人」の米国版「アイアン・シェフ・アメリカ」の優勝者でもあるバターリは、数十年にわたるセクハラと性的言動疑惑を受け、自らのレストラン管理企業から身を引くよう強いられ、米ABCテレビの料理番組からも降板させられた。バターリは「間違った」行いをわびて反省の姿勢を見せたものの、その謝罪声明にはシナモンロールのレシピが添えられていた

ルイス・C・K

大物コメディアンでエミー賞受賞者のルイス・C・Kは今年、フォーブスの「世界で最も稼ぐコメディアンランキング」3位に選ばれていたが、11月に5人の女性からセクハラを告発された。C・Kは疑惑を認めている。彼の番組を製作していたFXネットワークスやFXプロダクションズとの契約は解除され、11月に公開予定だった自身の映画も突然キャンセルされた。

ジョン・コンヤーズ

米下院の最古参議員だったジョン・コンヤーズ(88)は、セクハラ疑惑により12月初めに辞職を発表。女性議会職員に性行為を迫った、複数の女性と不倫をしていたなどの疑惑を否定しているが、コンヤーズの誘いを拒否し解雇されたとして不当解雇を訴えた元スタッフの女性と2015年に和解していたことは認めている。

アル・フランケン

元コメディアンのフランケン上院議員(ミネソタ州選出)は12月に辞職。女性の胸に触ろうと手を伸ばす姿を捉えた2006年撮影の写真が発端となり、複数の女性が不本意な身体的接触や不適切な振る舞いを受けたと訴え、所属する民主党の議員から辞職を求められていた。

ロイ・ムーア

元アラバマ州最高裁長官で、ジェフ・セッションズの司法長官就任に伴い実施された上院補欠選挙の有力候補だったムーアは、30代のときの複数の少女と不適切な関係を持とうとした疑惑が浮上。共和党の資金援助やトランプ大統領の支持も得ていたが、上院補欠選では2万票以上の差で破れた。

ビル・オライリー

FOXニュース元司会者のオライリーは、複数のセクハラ疑惑で和解に至っていたことや、FOXの内部調査で不適切な振る舞いが確認されたことが明らかになり、4月に辞任を強いられた。この影響で、50社以上の広告主がオライリーの番組での宣伝を中止。オライリーは、疑惑は事実でないと主張している。
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編集=遠藤宗生

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