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収穫されるブドウ

「このワインはビオだから悪酔いしない」「自然派ワインあります」など、近年よく聞くフレーズだ。

ただ、BIO(ビオ)、ビオディナミ、オーガニック、ヴァン・ナチュール、自然派ワイン、とさまざまな表現があり、それらは同じものなのか、それとも異なるものなのかも判然としないワイン初心者としては「私はこれを支持します」と言い切れないモヤモヤを抱えていた。ワインはブドウが主要原料であるし、そもそも自然なものじゃないの? 

と、その前にまずはワインの製法と歴史をおさらい。ワインとは、基本的にブドウの果実を潰して発酵させるだけのごくシンプルな飲み物。ブドウの果皮についていた酵母がブドウの糖分を食べて、アルコールに変えるので、本来必要なのはブドウのみ。その発祥は紀元前8000年とも4000年とも言われるが、とにかく太古の昔から私達はワインを造り、飲んできたのだ、もちろん無添加で。

無添加で、という点について補足しておこう。筆者の家にあるワインの裏ラベルを見ると「酸化防止剤(亜硫酸塩)含有」とある。これは発酵の役割を終えた微生物を安定させるため、亜硫酸化合物を加えてワイン中で化学反応を起こして二酸化硫黄(SO2)を発生させ、そのまま水分に溶け込み亜硫酸塩となったもの。二酸化硫黄はワインを醸造する過程の微生物管理のため、樽やタンクを燻蒸した物質で、そもそも空気中にも含まれており、ブドウが醸造されワインになる際には自然に生成される成分なので、それ自体の存在は悪ではない。

ただし、日本にワインが海外から輸送される際には船でゆっくりと1ヶ月以上かけて航海してくるわけで、そのワインたちが暑い海上で一定の品質を保持するには自然発生するSO2だけでは足りない。よって亜硫酸化合物を添加するというわけだ。

要するに、これから説明するオーガニックワインたちにも二酸化硫黄は添加されている(一部完全無添加ワインも存在する)。しかし、問題となるのはその有無ではなく、量。大量の亜硫酸塩は頭痛やムカツキを起こすこともあるので、「ワインを飲むと悪酔いする」というタイプの方にはこの亜硫酸塩が悪さをしているのだと考えられる。



ではこの亜硫酸塩以外に添加物はあるのか? と聞かれたら答えは「YES」だ。スーパーで数百円程度で販売され、大量に流通しているワインのほとんどには香料や、pH調整剤、合成タンニンなど多くの人工物が添加されている。

極端な言い方をすれば、ブドウジュースに人口酵母を加えて発酵させたものに添加物で味をつけ、香料で香りをつけたら即ワインとなる。醸造する日数も要らず、またブドウを栽培・収穫する人手もかからないからコストを軽減でき、結果安価なワインを大量に、安定した品質で供給できるという図式だ。

オーガニックワインとはその対極にある考え方であり、また太古の昔から1950年代(このころ化学肥料が一般に広まった)までは普通に行われていたワインの製法を守って造られているもの。たとえばEU圏内のワインなら、その製法はEUオーガニックワイン憲章(各国共通の法律)によって厳格に定められており、「3年以上有機肥料だけで土づくりし、化学肥料・農薬・除草剤を使用せずに栽培されたぶどうから造られ、オーガニックワイン醸造規定を遵守し、EUオーガニック認証を取得した」ものだけがオーガニックワインと名乗ることができる。

このオーガニックワインが通称BIO。BIOと3文字記されたシールが貼られたワイン、見たことがあるでしょう? あれが、これ。では、同じビオでも「ビオディナミ」とはなにか。

文=秋山 都 画像提供=マヴィ株式会社

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