ただ、2017年第1四半期(1~3月期)は予想を上回る業績を収め、引き続き長期的な成長の機会を探っている。
そのアンダーアーマーは6月上旬、消費者が希望するイメージ(画像)や色をアップロードすることで、シューズをカスタマイズすることが可能になる新たなプラットフォームを発表した。
カスタマイズで顧客忠誠心の向上狙う
最大の競合相手であるナイキは既に、シューズのカスタマイズに応じるサービスを行っている。アンダーアーマーも同様のサービスを提供することで、フットウェア部門での競争力を維持したい考えだ。カスタマイズのプレミアムシューズの需要は増加しており、同社はこのプラットフォームを通じて消費者との関わりを深め、より強固で忠誠心の高い顧客ベースの構築を目指す。
市場調査会社の英インフィニティリサーチが提供する調査サービス「テックナビオ(Technavio)」によれば、フットウェア部門で高まるカスタマイズサービスの人気を受けて、複数のメーカーがこの市場への参入を計画している。いずれも消費者を引きつけ、また顧客を維持することが狙いだ。
消費者が自分の好きなデザインでシューズを作れるようにすることで、ブランド各社はそうした潜在顧客との間により密接な関係を築くことができる。そしてこのサービスは、他ブランドとの差別化にもつなげることができる。
リーボックやナイキなどがこのサービスを提供していることを考えれば、アンダーアーマーが同じサービスを導入しないことは、市場シェアの縮小を招く結果になると予想された。
テックナビオによれば、一人ひとりに合わせたフットウェアの需要は、向こう数年間にわたって増加する可能性が高いと見込まれている。現在のところ、オンラインで購入されたフットウェアの25%近くがカスタマイズされており、その売上高は総額20億ドル(約2220億円)に達していると推計される。
成長のけん引役になるか
アンダーアーマーのフットウェア部門の売上高は今後、安定的に増加し、2023年には10億ドル近くに達すると見込まれている。同社の企業価値に占める同部門の割合は、30%程度になると予想される。
同社の売上高の伸びを後押しするのは、製品の革新、販路拡大への重点的な取り組み、そして国際市場での機会の確保となるだろう。ナイキなどとの競争が、売上高に悪影響を及ぼすこともあるかもしれない。だが、カスタマイズのためのプラットフォームはアンダーアーマーにとって、長期的な成長機会の追求を可能にするものとなるはずだ。