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パリ協定離脱を表明したトランプ大統領 (Photo by Win McNamee/Getty Images)

「パリ協定」から脱退。トランプ大統領が、地球温暖化対策の国際的な枠組みから抜けることを決めた。

国連広報センターと吉本興業が組んで、お笑いで「持続可能な開発目標(SDGs)」をPRするほど「世界的な取り組み」と言われてきたが、世界と逆行する動きだ。奇しくも、金融の専門家がForbes JAPANに寄せていたコラムを紹介しよう。


ネパール系米国人のアヌジ・プラダーン(AJ)は、失望を通り越し、何かに憑かれたように笑い続けた。笑いすぎた涙目で一言、「憧れて移住してきたアメリカは、とうとう中国にも抜かれた後進国になってしまったよ」。

トランプ大統領が地球温暖化対策を全面的に見直す大統領令に署名した日のことだ。そのわずか数カ月前の昨年11月、世界190以上の国・地域により、地球温暖化防止の目標設定に合意したパリ協定が結ばれたばかりであった。アメリカも中国も同協定の主導国の一角を占めていた。

AJは2001年に勃発した不可解なネパール王族大量殺人事件の際に、舞台となったナラヤンヒティ王宮にいた。彼はれっきとしたネパール王族の血を引いている。AJは難を逃れる目的もあってアメリカに渡ったのである。

アメリカには、マイノリティの移民に対する偏見や差別が厳然と存在する。だが、同時にAJの住みついたカリフォルニアはメキシコ系やアジア系の住民が多く、何よりもアメリカン・ドリームへの憧憬が彼の人生の励みになってきた。日系企業の副社長として、全米を飛び回る彼のインセンティブはそこにある。

そこへトランプの登場だ。マイノリティへの偏見を可視化し、時代がかって理論的にも不透明な経済政策を掲げながら、独りよがりの扇情的な言動を止めない。AJとその仲間たちの落胆は大きかった。

「短期の経済政策なんかはその内限界に来る。現に馬脚を現し始めているよ。しかも、持続可能な地球社会をつくっていこうという、大国なら当然押し進めなければならないテーマを否定するようではおしまいさ。貧しくて政情は混乱しているが、水と空気のきれいなネパールが懐かしい」

世界は今、持続可能な発展のために一丸となって取り組んでいる。15年9月には、国際連合がSustainable Development Goals(SDGs)を採択し、貧困、差別などをなくし、持続可能な再生エネルギーや居住し続けられる生活環境を確保するための、17個の目標を掲げた。これらの目標はさらに169項目の達成基準にブレークダウンされている。その評価基準として232の指標も用意された。SDGsは広く先進国の取り組みと責任をも含む。

日本政府はこれを重たく受け止めた。全大臣から構成されるSDGs推進本部を設置して、国内における推進を図っている。19年までを目途に最初のフォローアップが予定されている。

文=川村雄介

 

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