米国小児科学会(AAP)は5月22日、フルーツジュース(果汁100%の飲料のみを指す)に関する提言を発表。乳幼児から10代の子供たちを対象とした年齢別の適切な摂取量についての見解を明らかにした。AAPに所属する医師の中には、子供にはフルーツジュースを与えるべきではないと考える人たちもいる。
テキサス大学オースティン校デル・メディカルスクールのスティーブン・エイブラムズ博士は、生後6か月までの乳児には、母乳または乳幼児用ミルク以外を与えるべきではないと述べている。生後1年までは、果汁から得られる栄養学的な利点はないという。
また、2歳を過ぎたくらいの歩き始めの時期までの子供たちには果汁を与えても構わないが、1日当たり118mlを超えない量にとどめることを勧めている。ただし、「ボトルやふた付きのカップにジュースを入れて子供に与えることは、虫歯のリスクを高めることになる」という。ジュースに含まれる糖分が長時間にわたって子供の歯に付いた状態になるからだ。
さらに、4~6歳の子供には1日当たり180ml程度、7~18歳までは同240ml程度に抑えるべきだとされている。これらの推奨量は毎日の摂取量の上限であり、1週間当たりの推奨摂取量から1日当たりの平均を割り出したものではない点に注意が必要だ。
果物にも短所はある
「フルーツジュース」に該当するのは濃縮還元を含む果汁100%の飲料だ。濃縮還元の場合は、必ずラベルにそれが記載されているはずだ。
提言の中でAAPは、「1歳以上の子供には、健康的でバランスの取れた食生活のために、濃縮還元を含めた果汁100%のジュースを勧めることができる」と述べる一方で、その他の「果汁入り飲料」は、栄養的にフルーツジュースと同等ではないことに注意が必要だと指摘している。