リンク共有やタグ付けができない
この問題については、インフルエンサー側が何度も苦言を呈している。自分のユーチューブチャンネルやウェブサイト、店舗へのリンクを貼る機能は、インフルエンサーにとって不可欠だ。美容ブロガーのジャッキー・アイナは「インスタグラムのストーリー機能で私が気に入っていると確実に言えるものは、人のタグ付けとウェブサイトへのリンクが直接できること」と話している。
スナップチャットは広告主を対象にリンク付け機能を提供しているものの、インフルエンサーや一般人には用意していない。一方のインスタグラムでは、(プロフィールに1件しか追加できないものの)リンク機能が大きな利点となっている。
フォロワー数が少ない
大半の人は、スナップチャットよりもインスタグラムでより多くのフォロワーを集めている。インスタグラムのストーリー機能は基本的にはスナップチャットと同じなので、わざわざフォロワーをスナップチャットに移行させる意味はない。
またインスタグラムでは潜在的な閲覧者数が多い。月間アクティブユーザー数はインスタグラムが7億人超なのに対し、スナップチャットは3億人超。インスタグラムの成長は衰えを見せておらず、2017年中にはソーシャルメディアの全ユーザーの半分がインスタグラムを使うようになるとも予測されている。
動画の質が低い
スナップチャットでは携帯を使ってその場で動画を撮らなければならなく、見栄えの良い動画はあまり多くない。歩きながら撮影しているため手振れがひどい、照明が暗い、といった動画ばかりだ。
ユーチューバーのマリアレ・マレロは、インスタグラムのストーリーでは携帯に保存したコンテンツを投稿できることが気に入っているという。「私のリップスティックブランドの立ち上げではこれが本当に便利だった。とてもきれいな写真や動画を使え、iPhoneで撮影せずに済んだから」
分析ツールの欠如
スナップチャットでは、インフルエンサーをランク付けする方法がない。カイリー・ジェンナーやセレーナ・ゴメスのインスタグラムのフォロワー数は公開されているが、スナップチャットのフォロワー数を知るのは本人のみで、インスタグラムのように表示はされない。
スナップチャットはユニークビュー数や閲覧されたストーリー数、スクリーンショットの数といった最低限のデータしか提供しないが、インフルエンサーや広告主にはそれをはるかに超えるデータが必要だ。インスタグラムではフォロワーやウェブサイトのクリック数、インプレッション、リーチ、エンゲージメント、閲覧者属性などあらゆるデータが提供される。
隙間市場を埋めるスナップチャットはこれからも成長し続けるだろうが、インフルエンサーや広告主の要求に応じなければ「友達同士」のプラットフォームのままになるだろう。動画共有アプリのバイン(Vine)を覚えているだろうか? インフルエンサーを重宝しないと何が起こるのかは、同アプリを見ればわかる。