スナチャがインスタ「ストーリー」機能に完敗した理由

Ink Drop / shutterstock.com

わずか8か月前に導入されたインスタグラムの「ストーリー」機能が、早くもスナップチャットをしのぐ人気を得ている。インスタグラムを運営するフェイスブックによると、1日の利用者数はスナップチャットの1億6000万人を上回る2億人に達している。

スナップチャットは閲覧数が顕著に減少している。IT情報サイトのテッククランチによると、ソーシャルメディアの著名ユーザーの一部ではスナップチャットの閲覧数が少なくとも15%減少。ソーシャルメディア向け動画の制作と分析を行うデルモンドは、スナップチャットストーリー1件に対する平均ユニークビューワー数が2016年8月から11月の間で約40%落ち込んだと報告している。

スナップチャットが苦戦する一方、インスタグラムのストーリー機能は絶好調のようだ。インフルエンサー(消費者の購買行動に大きな影響力を持つ人物)を活用したマーケティング施策を提供するジ・アンプリファイ(theAmplify)はテッククランチに対し、インスタグラムのストーリー閲覧数はスナップチャットに比べ28%高いと説明している。インフルエンサーのインスタグラムストーリーを毎日閲覧するフォロワーの割合は平均で6〜10%と、非常に高いエンゲージメント率を誇っている。

同じくインフルエンサーマーケティング企業のメディアキックスは、スナップチャット上のトップインフルエンサー12人(総計フォロワー数は1億人近く)を30日にわたり追跡し、インスタグラムのストーリー投稿頻度を調べた。

その結果、12人のインスタグラムストーリー投稿数は、スナップチャットよりも25%高いことが判明した。

インフルエンサーはなぜ、スナップチャットを使わなくなっているのだろうか?

ユーザー発見が難しい

インフルエンサーはフォロワーを増やしたいものだが、そのためにはフォロワー側に自分を見つけてもらう必要がある。スナップチャットの検索機能はインスタグラムに比べ、誰かを見つけてフォローするのがはるかに難しい。

スナップチャットの「ディスカバー」ページは大きなニュースやエンタメ情報を見つけるにはぴったりだが、このページを使ってインフルエンサーを自然な形で発見できる可能性はほぼゼロだ。一方のインスタグラムは、ユーザーの好みやフォロワーの状況に基づき、ユーザーの提案をうまく行なっている。「発見」ページでは大手の企業やメディアではなく、インフルエンサーや一般人のアカウントを見つけることができる。
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編集=遠藤宗生

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