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I write about the tech of culture and the culture of tech.

Photo by Boston Globe / gettyimages

高い壁には、ハーネスを付けてホールドからホールドへと移動するクライマーたち。フロアには、ウェイトトレーニングやヨガに集中する人々。そのすぐそばのデスクでは、起業家やフリーランサーたちがラップトップを叩いている——。

汗やチョークの粉が飛び交うクライミングジムの喧騒の中で、コワーキングスペースはきちんと機能するのか? 心身の鍛錬とスタートアップ運営を同じ空間で行うとどうなるのか? クライミングジム「ブルックリン・ボルダーズ」(Brooklyn Boulders)のニューヨーク・クイーンズブリッジ店は、それらの可能性を探る実験場だ。

共同創業者のランス・ピンは、会員がこのジムで過ごす一日を次のように表現する。

「着いたらまず、売店でニトロ・コールド・ブリュー(昨年頃から全米で流行している窒素ガス入りの水出しアイスコーヒー)を買い、デスクの空いているスペースに仕事道具を広げる。30分ほどメールや他の課題をさばき、気分が停滞してきたなと思ったら、1〜3本くらいクライミング。全身に血を行き渡らせて、また仕事に戻る。昼休みは卓球をするもよし、スラックラインやニンジャ・ウォリアー(米国版SASUKE)トレーニング器具ではしゃぐもよし。午後の仕事が終わったら、カポエイラのクラスに参加し、その後サウナでリラックス。そして、夕食はラーメンを楽しむ。なぜかブルックリン・ボルダーズをオープンする先々で、1年以内にラーメン店ができるんだ」

適度の運動が精神力の向上を促すことは、数多くの研究で明らかになっている。少なくとも超近距離内で仕事とワークアウトを行いたい人々にとって、このジムは生産性アップを叶える夢のような場所だろう。

自然発生的に生まれたアイデア

ピンによると、クライミングジム内にコワーキングスペースを設ける構想は、会員のニーズに合わせて自然に生まれたものだという。ブルックリン・ボルダーズの第一号店は2009年にブルックリンのゴワナス地区にオープン。そこではWiFiを完備していたことから、クライミングの間にマットの上にラップトップを広げる会員が少なくなかった。「ジムには仕事用のスペースがなかったので、奥にある事務所に移動してもらうしかなかった」とピンは振り返る。

その後、新店舗を出すことになり、ピンらはモバイルワーカーが快適に過ごせるジムを目指した。モデルにしたのはスターバックスだ。

「ショップエリアにいわゆる『スターバックス体験』(そこで過ごすこと自体に価値を見出す感動体験)ができるスペースを用意したところ、休憩を挟みながら一日中ジムで過ごす会員が増え始めた。我々は彼らの行動を観察しながら、立ち机の上に懸垂棒を取り付けるなどスペースを改造していった。まさに会員と共同でライフスタイルを作り出してきたんだ」

現在、ブルックリン・ボルダーズはニューヨークのブルックリンとクイーンズブリッジ、シカゴ、ボストン近郊のサマービルの計4箇所で展開しており、多くの会員がジムを仕事場としても活用している。コワーキングスペース大手のWeWorkの月会費が最低でも月額220ドルするのに対し、クイーンズブリッジ店の月会費は135ドル。従来のコワーキングスペースより会費が安いことも魅力の一つだ。

編集=海田恭子

 

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