1月15日に以降にテスラを購入した中国の消費者は今後、キロワットアワーあたり1.8元(約30円)の充電料金を支払うことになる。新制度の導入にあたりテスラはオーナーらに年間400キロワットアワーの無料充電枠を付与する。これはテスラの車両が約1600キロを走行可能な電力に相当する。
充電料金が発生するのは無料充電枠を使い切った以降で、テスラの公式サイトのアカウントから料金が徴収される。他の諸国とは違い、中国のテスラ充電所では高速充電のオプション料金は発生しない。また、無料の充電枠は毎年更新される。今回の有料化は既にテスラを所有しているオーナーらには影響しない。既存のオーナーはこれまで通り生涯無料で充電所が利用可能だ。
充電の有料化と同時にテスラは今回、充電所に車両を放置したオーナーから追加料金を取り立てることを発表した。フル充電の完了後5分を超えて車両を駐めた場合、1分につき2.6元が課金される。
この措置は他の諸国で適用されているルールとほぼ同様のものではあるが、中国のテスラ所有者は、不満や苦情が多いことで知られ、反発も予想される。「今度はどんな約束をテスラは破るのだろう」とブログで述べる人も現れた。
米国ドルに換算してキロワットアワーあたり0.26ドルという充電料金は、カリフォルニアの0.20ドルやニューヨークの0.19ドルよりも高い価格設定だ。加えてテスラは今回の価格を暫定価格としており、将来的にはさらなる値上げも起こりうる。充電料の値上げは中国のテスラオーナーらにとって最も腹立たしい措置と言えるだろう。
一方で、駐車料金の徴収開始は妥当な措置と考えられる。中国では充電所を無料の駐車場代わりに利用するオーナーも多く、充電待ちのドライバーがイライラしながら長い行列を作っている場面を見かけることもある。フル充電になったテスラを放置して、そのオーナーは買い物をしていたりするのだ。
中国のテスラの充電所はホテルやショッピングモールに設置されている場合が多く、事業者が独自に高額な駐車料金を要求するケースも増加中だ。しかし、少々の出費は気にしないオーナーも多く、他の駐車場を探すくらいなら気前よく罰金を払う所有者もいる。米国ドル換算で1分あたり38セント(約43円)程度の罰金が、果たしてどの程度の効力を発揮するかは疑問だ。