ビジネス

2017.01.13

「ガソリンスタンドに行く感覚で」 米企業、EV超高速充電への挑戦

Mike Flippo / shutterstock.com

電気自動車(EV)の普及を妨げている最大の障害は、消費者の心理だ。

例えば「目的地に到達する前に電池が切れてしまったらどうしよう」と心配になったり、「バッテリーの充電を待つために貴重な時間が無駄になりはしないか」という考えてしまうのだ。

消費者がそれらの不安を克服するため、また今後より航続距離が長いEVが増加してくるのに備え、カリフォルニア州キャンベルを拠点とするチャージポイントはエキスプレスプラス(ExpressPlus)充電ネットワークを導入する。DCモーターの超高速充電器だ。

2017年夏に充電ステーションに設置予定のエキスプレスプラスを使えば、EVオーナーたちはコーヒーを飲む程度の時間で航続距離を数百マイル増やすことができるようになる。「注文したカフェラテができる頃には、充電が完了しているかもしれない。それが我々の目指すところだ」と、同社のパスクエール・ロマーノCEOは言う。

「ベンチマークにしたのはガソリンスタンドだ」とロマーノは、エキスプレスプラスをお披露目したラスベガスのコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES:1月5~8日)を前に語った。「充電はガソリンスタンドに行くのと同じぐらい手軽にできなければならない」

テスラのスーパーチャージャー(急速充電器)では、170マイル走行分の充電を行うのに約30分。一方で従来型のガソリンスタンドでは、一般的な自動車なら最低300マイル走行できるだけの給油が5~10分で済む。

チャージポイントはEVの充電ステーションは運営しておらず、ホテルやレストラン、モールなどに充電器と技術を販売・供与している。

EVは急速な変化を遂げており、今後数年で今よりも大きなバッテリーを備えた航続距離200マイル超のモデルが急増する見通しだ。その流れを見据えた上で、エキスプレスプラスの利点は柔軟性と拡張性だとロマーノは言う。

シボレー・ボルトのような現在出回っているEVの充電を最大級の速度で行えるだけでなく、アップグレードが容易で、電気バスやトラックを含む次世代のEVの充電にも対応が可能だという。
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編集=森 美歩

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