百度(バイドゥ)と商用車メーカーの「福田汽車(テイチーフォトン)」は11月、上海新国際博覧センターで“スーパートラック”を発表した。数々のセンサーが装備され、サラウンド型のフロントガラスが特徴的であることを除けば、レベル4のこの自動運転貨物輸送トラックはディーゼルエンジンのトラックとさほど変わらないように見える。なぜなら、これが決して未来の車ではないからだ。
中国は貨物輸送の問題に対して早急に答えを必要としており、これが、自動運転技術の開発と特許収入をめぐる競争において中国各社に有利な状況を生んでいる。
中国では、720万台のトラックと1,600万人のドライバーが、590万平方マイルにも及ぶ条件の悪い道路を走っている。多くはかなりの長距離に及ぶ移動で、ドライバーが2~3人必要なケースもある。
数学の専門家でなくても、ここに革新のチャンスがあることは分かる。中国のベンチャーキャピタル企業「雲啓創投(Yunqi Partners)」のNg Yi Pinは楽観的だ。「労働力も燃費も大幅に節減できる。市場の力によって革新が実現されるだろう」
スーパートラックは、コネクテッドカーや無人商用車に関する百度と福田汽車のビッグデータ解析により開発された自動運転機能を採用している。これにより、人が運転する時間と燃料の消費量を劇的に減らすことが可能になり、各自動車メーカーは十分に魅力的に映る。
バイドゥ・インテリジェント・ビークルのゼネラル・マネージャーであるGu Weihaoは「商用車のOEM企業と協力して、今後さらに自動運転のソリューション開発と適用シナリオの構築を行っていく。また一方で、業界のパイオニアの一員として、自動運転技術のプロバイダを取り込みながら市場シェアを獲得していく考えだ」と語った。