ネットフリックスは個別の配信実績を公表していないため、オリジナルコンテンツが業績にどれだけ寄与しているのかは不明だ。しかし、同社の好調な業績を見る限り、コンテンツの自前化がうまく機能しているように見える。ネットフリックスが先週公表した3Q業績によると、契約者の純増数は当初予想よりも100万人以上多い357万人で、1株利益は12セントとアナリスト予想の2倍以上だった。
マーベルとの共同制作である「ルーク・ケイジ」や「ストレンジャー・シングス(Stranger Things)」、「ナルコス(Narcos)」などのヒットが成長を支え、ネットフリックスは投資家向け書簡の中で「オリジナルコンテンツが業績を牽引した」と述べている。
一話10億円のオリジナル作品も
ネットフリックスは今月初めにコメディアンのクリス・ロックとスタンダップコメディの特番2本を配信する契約を史上最高額の4,000万ドルで結んだ。また、この夏に配信を開始した新ドラマ「ゲットダウン(The Get Down)」は、1話当たりの制作費が1,000万ドル(約10.4億円)とも言われている。
「オリジナルコンテンツは非常にうまくいっている。今後は、グローバル市場向けのオリジナルコンテンツの制作が極めて重要だ」とJPモルガンのダグ・アムナスは話す。
ネットフリックスは米国外の契約者数が急増しており、3Qの純増数は320万人だったが、米国内の契約者数は37万人しか増えていない。こうした背景から、今後はコロンビアの麻薬戦争をテーマにした「ナルコス」のように、米国外を舞台にしたコンテンツの拡充が重要な取組みとなる。
来月配信が開始される「ザ・クラウン(The Crown)」は、英国女王エリザベス2世を描いたドラマで、5月に配信を開始した政治ドラマ「マルセイユ(Marseille)」は、ネットフリックスとしては初のフランス語シリーズだ。
「インターネットによって世界中のユーザーにリーチすることが可能になった。今や会員数は8,600万人を突破し、コンテンツに対するニーズが多様化している」とネットフリックスは書簡の中で述べている。