科学誌プロスワンに掲載された論文によると、コオロギに対し一般的な鶏用飼料と似た餌を与えたところ、「タンパク質変換効率」は鶏とさほど変わらない結果となった。スーパーの廃棄食品を餌にしたところ効率性は飛躍的に向上したが、30社以上のスタートアップがこうした生産方法を採用することは難しいだろう。
メディアの間では、「コオロギはそこまで環境に優しくない」(タイム誌)という声や、コオロギ食品ブームを単なる一過性のはやりととらえる見方が広がった。昨年11月には、全米レストラン協会が1,600人のシェフの声をまとめて2016年の流行を予測した調査「What’s Hot in 2016」で、昆虫食は概ね「過去のもの」との評価を得た。
露出増で主流商品となるか
だが結論を下すのにはまだ早い。コオロギ食品は今や、ジムや大手スーパーなど、一般的な消費者の目に触れる場所に並び始めているのだから。
「一時的な流行」が主流のトレンドへと変わる境界線は何なのだろうか。近所のおばさんがスーパーで買い物中にこの新商品の前で足を止め、本当においしいのかしら、と思った時?それとも、レトルト食品と一緒にクリケットバーをほおばるようになった時?
コオロギはまだ主流のタンパク源とは言えないし、今後もそうなる可能性は低い。だが今後、全米各地の大手食品店の店頭に並ぶことは確かだ。