データセンターの在り方を変えた、FBの「オープンコンピュートプロジェクト」

Photo by Sean Gallup/Getty Images


するとアップルとマイクロソフトなどの大手企業もOCPに参加。ヒューレット・パッカードまでもがOCPにサポートを提供し、電子機器受託生産の大手フォックスコンと共同でOCP仕様のボックス製品の開発・生産を行っている。

OCPを早期段階から熱心に採用してきたのが、金融サービス各社だ。ゴールドマンサックスは新たなサーバーの80%がOCP仕様。フィデリティ・インベストメントは最近、オープンソース化されたハードウェアが大幅なコスト節減効果をもたらしていると明らかにした。年間2,000億ドル(約20.5兆円)をテクノロジーおよびデータ管理に費やしているセクターにおいては、これは導入する強力なきっかけとなる。

OCPがパブリッククラウドに向けたムーブメントを変えていく可能性は低い。AWS、マイクロソフトやアルファベット、それに自社データセンターを持つより小規模な企業は、クラウド分野においてコスト面で優位に立ち、事業を大きく成長させている。OCPにできるのは、ハードウェアを標準化し、コスト節減を行うことでその取り組みを手助けすることだ。そうなると“敗者”は、デルや特にシスコ・システムズなどの老舗ハードウェアメーカー。特注の設備、盛大な販売会議や高利益率の時代は終わったのだ。

オープンソースは利益率を考えれば(特に販売を行う場合は)あまり良くないが、革新に大きく寄与するものとなる。フェイスブックはここで投資を行い、勝者となったのだ。

編集=森 美歩

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