このところ、アマゾンによる物流インフラへの大規模な投資が報じられている。最初が、ボーイング767型機20機をリースする契約の交渉だった。これは単に、クリスマスなどの休暇で配送のピークを迎える時期の輸送手段を確保することが目的だというのが大方の見方だった。
その後、アマゾンの中国部門が海上運送業者として登録されていることが明らかになった。つまり同社が海上運送業に進出したということだが、この時も、ピーク時に中国のサプライヤからの荷物輸送をしやすくするためだと見なされた。しかしそこにインドへの大規模な追加投資が発表されたことで、急速な成長を遂げている世界の市場に、効率的に到達できる物流ビジネスの枠組みが見えてくる。
このビジネスモデルの“動力源”はスケール(規模)だ。ベゾスは1997年から、スケールこそが売上や収益性の増加、資本回転率の向上につながるのだと主張していた。言い換えれば、ビジネスの規模が大きくなるほど、ネットワークが大きな効力を発揮するのだ。当時、アナリストたちはこの主張に冷笑していた。
だが最終的にアマゾンは、ビジネスの規模を拡大し、巨大な帝国を築いた。事業規模を拡大したアマゾン・ドットコムは、その利益と顧客を使ってAWSを拡大した。それと同じことを今、物流で行っているのだ。
アマゾン株は押し目買い銘柄だ。UPSとフェデックスについては、吹き値売りでロングポジションを解消した方がいいかもしれない。