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2016.04.07

テスラ「モデル3」香港でも好調 EVナンバーワン都市を加速

John Leyba / Getty Images

4月1日の朝、香港のテスラモーターズの3店舗では100人以上がモデル3を予約した。その1人であるリディア・リーは環境負荷の小ささを理由にEVを選んだ。

「価格は問題ではないんです。私は化石燃料の時代が終わるのを待てないから」と彼女は言う。「私の夫は、なぜ外観も分からない車のために並んで1,000ドルのデポジットまで払うのかと聞くわ。けれど外観は関係ない。私は車ではなく、未来を買っているのだから」

2017年後半の納車開始が見込まれるテスラモーターズの新型EV「モデル3」は、イーロン・マスクCEOが唱える「EVカーを主流にする」というミッションを、少なくとも香港では前進させるだろう。

香港ではモデルSが売れ筋トップに

テスラの「モデルS」は昨年、香港でセダンの売れ筋トップにもなった。地元のEV愛好団体Charged Hong Kongによると、香港での昨年の同モデルの販売台数は2,221台で、特に12月は自動車販売台数の17%に相当する500台が売れた。

数字をまとめた同団体のローは「車が100台あればそのうち20台がモデルSということだ。この数字は本当に励みになる」と語った。

ローはモデルSの半額のモデル3は、テスラを自動車の主流に押し上げる力を持つと考える。「モデル3の発売によって、香港の新車販売の50〜70%はEV車になるのではないか。そしてその大半はテスラの製品だろう」

調査会社IHSによると、2015年第2四半期に香港で新車登録された自動車の5.6%はEV車だった。これはオランダに次いで3番目に高い数字だ。同期に新車登録台数のEV比率が最も高かったのはノルウェーで18.5%だった。

香港でのEV人気は、政府のバックアップがあって実現したとも言える。1月に同地を訪れ指導者と会談したマスクは“EVの先導都市”と形容した。香港全土には1,300の公共充電施設があり、これはEVカー3台に1つという計算だ。テスラも充電拠点を10カ所設けている。
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編集=上田裕資

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