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テスラの店の前には長い行列ができた (Photo By John Leyba/The Denver Post via Getty Images)

米電気自動車(EV)大手テスラ・モーターズのイーロン・マスクCEOは2015年、自社の時価総額を2025年までに、アップルを上回る水準にまで引き上げることは可能だと予測した。

テスラが先ごろ発表した新車は各店舗の前に、かつてのアップルの新製品発売を思わせる長い行列を作った。アップルが2015年5月につけた史上最高の時価総額を約18%下落させているなか、こうしたテスラの状況を踏まえれば、マスクのこの発言について再考してみる価値はありそうだ。

5人乗りのセダン「モデル3」は、オプションを装備しないベース車両で価格3万5,000ドル(約388万円)。ロイターによれば、テスラは購入予約の受け付け開始から36時間で、30億ドル(3,327億円)の売り上げに相当する注文を受けた(予約台数は25万3,000以上、平均販売価格は4万2,000ドル)。予約には1,000ドルの支払いが必要で、ブルームバーグもこの予約金について、総額2億5,300ドルを超えたと報じている。

しかし、実際にモデル3を手に入れることができるのは、1年半ほど先のことだ。後で追加料金の支払いが必要になる可能性もある。ロイターはその理由について、電気自動車に適用される7,500ドルの連邦税控除の対象が、メーカーあたり20万台まででのためと説明した。

いずれにしても、予想を上回るモデル3の人気は、予約の受付開始以降、テスラの株価をおよそ7%押し上げ、同社の時価総額は326億ドルに達した。2015年7月に記録した史上最高値を14%下回る水準にまで戻したわけだ。

すでにアップルを超えた面も

マスクはある意味で、アップルが完成させた「人々の願望をかき立てるマーケティング」を手本にしているといえる。

テスラが最初に発売したモデルは最高価格が13万2,000ドル(1,464万円)で、顧客の大半は富裕層だった。魅力的なデザインと加速の良さ、ガソリンを必要としないという利点で、テスラ車の所有はステータスシンボルともいえるまでになった(充電スタンドから離れすぎない限りは、という条件付きだが)。

マスクは高級車から始め、より大きな購買層が望める価格帯の製品で成長を推進させる計画を立てた。そのテスラが時価総額でアップルをしのぐことができる可能性について同氏は、「10年にわたって年間50%の増収率と10%の利益率を維持することができれば、株価収益率を20倍にすることができ、時価総額を7,000億ドルにすることは可能だ」と考えを示した。

2025年のアップルの時価総額を予測することは難しい。だが、テスラが時価総額を毎年41%近く引き上げ続けていくことも、かなり困難な課題だろう。テスラは2015年第4四半期(10~12月)の決算で前年同期比約27%増の売上高を記録したが、純損失は拡大した。

それでも、テスラのショールームの前にできた行列が示唆するのは、同社が18か月の待ち時間にもかかわらず、多くの人が喜んで1,000ドルを払うような新製品への大きな需要を生み出したということだ。この点では、すでにアップルを超えたといえるだろう。

テスラの投資家たちは、あと9年待つ必要もないかもしれない。同社は多くの人たちが待ちに待った新製品を、完成させることができたのだから。そして、アップルは成長戦略について、マスクから学ぶ必要があるのかもしれない。

編集 = 木内涼子

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