リンクトインは3月31日、Lynda.comで50種類以上の“ラーニング・パス”を立ち上げた。特定の仕事について一から学んだりスキルアップしたりできる教育コースで、マーケターやイラストレーター、プロジェクト・マネージャー、ウェブ開発者など、様々な職種向けのコースが用意されている。
リンクトインのプロダクト・マネージャーのアーサー・ニコルズ(Arthur Nicholls)は「キャリアアップしたい人、新たな職業に挑戦したい人、スキルアップしたい人の役に立つサイトです。新たなキャリアを歩もうとする全ての人に使って頂きたい」と述べた。
キャリアアップを促進するクラスを設置
Lynda.comのラーニング・パスは複数のコースで構成されており、クイズや練習、リマインダーや表彰といった機能が用意されている。修了するとリンクトインや他のSNSで共有できる修了証書が発行されるほか、リンクトインのプロフィールに受講したコースや新たに習得したスキルを登録できる。
ラーニング・パスを受講すれば、理想の仕事を手に入れ、新たなスキルを身に付けてステップアップできるとニコルズは説明する。リンクトインはコースの設計にあたり、雇用主が従業員に求めるスキルやユーザーが同サイトで検索している仕事を分析した。効果的なクラスの内容や順番を決めるために学習コースのデザイナーも開発に参加させたという。
リンクトインの学習プロダクト担当副社長マイケル・コーカスカ(Michael Korcuska)は「就職の面接や新たなキャリアに乗り出すにあたり、ラーニング・パスはプラスになります。人々のキャリアをより良いものにするために合併したのです」と語る。
リンクトインはLynda.comへの注力で、ユーザーの増加も期待する。ユーザーがコースを修了すればスキルや興味といったデータが蓄積されるため、最大の収入源である求人ビジネスの拡大にもつながる。スキルや資格がより正確にプロフィールに反映されれば、リンクトインが「エコノミック・グラフ」と呼ぶ、人々のスキルや経済的ニーズ、企業の情報や仕事の内容をもとに経済的な機会を創出するためのマッピングを充実させることも可能だ。
Lynda.comが提供するコースが経営者たちの目にどう映るのか、またリンクトインの求人ビジネスをどれほど促進するかはまだ分からないが、コーカスカは「楽観視している」と言う。ラーニング・パスは企業等のユーザーがグループで利用することも可能だ。
「スキルアップのためのレシピを提供する場になります」とコーカスカは説明する。
ラーニング・パスを利用するには、Lynda.comの有料会員になる必要がある。同サイトでは毎週5万以上のコースが修了され、およそ2,500万分の動画が視聴されている。コースは4,000以上でさらに増え続けている。
現在は英語のみ(他のLyndaのコースはスペイン語、ドイツ語、フランス語、日本語にも対応している)だが、今後コースを拡大していく。従業員に新たなスキルを習得させる業務教育ビジネスにも乗り出していくという。