店員の数の多さや豊富な商品知識、一緒に店内を歩いて目当ての商品を探してくれるようなサービスで知られる訳ではないウォルマートだが、それでも店員たちはほとんどが、客に対してフレンドリーだ。
問題は、フレンドリーなサービスが必ずしも、素晴らしいサービスではないということだ。そしてこれは、実際には重大な問題なのだ。そこで、ウォルマートはこのほど、顧客サービスの質の向上に向けた新たな教育プログラムの導入を決定した。
米小売業界に関するさまざまな情報を提供するリテイル・ワイヤーによると、ウォルマートはオンライン学習などを含む既存の研修プログラムに替えて、「アカデミー」を開設する。教室での講義や店内での実地訓練を行い、顧客重視型のサービス提供を目指す方針だ。
ある販売員が何年も前に記者に語ったところによれば、店員が客に提供できるのは、「低価格、高品質、素晴らしいサービス」の3つだ。だが、客が手に入れられるのはこれらのすべてではなく、自ら選ぶいずれか2つの組み合わせだ。
ウォルマートはすでに、顧客に低価格と高品質の製品を提供している。さらにその上で、顧客サービスの水準を引き上げようとしている。立派な考えではないか。