調査結果によると、米国人は摂取するカロリーの58%、砂糖の90%を清涼飲料水やシリアル、袋詰めされたパンや焼き菓子、袋入りのスナック類、その他の菓子類、デザート類、再構成肉(チキンナゲットなどの材料)、即席めん類、スープなどの「超加工食品」から取っていた。
米全国健康・栄養調査(NHANES)の2009~10年のデータに基づき、米国人9,000人以上が摂取している超加工食品とそれらが及ぼす影響について調べたブラジル・サンパウロ大学の研究チームは、これらの加工食品を「塩、砂糖、油脂に加え、料理には使用されない物質を含み、工業的に形成されたもの」と定義した。それら物質には、ほぼ加工されていない食品や自然食品(有機食品以外も含む)の食感などを再現するための着色料や甘味料、乳化剤、香味料などの添加物が含まれる。
研究チームによれば、超加工食品のうち砂糖の添加量が最も多いのは清涼飲料水(米国人の摂取する砂糖に占める割合は17.1%)で、次いでフルーツジュース(同13.9%)、乳飲料(4.6%)、ケーキ・クッキー・パイなど(11.2%)、パン(7.6%)、デザート類(7.3%)、スナック菓子(7.1%)、シリアル(6.4%)、アイスクリーム類(5.9%)となっている。超加工食品はそれぞれの総カロリーのうち約20%が、砂糖の熱量によって占められているという。
また、パスタソースやドレッシング、クラッカー、全粒粉のパン、調理済みのスープ、一部のソーセージ(ボローニャなど)など、実際に甘いと感じる以外の食品にも、多くの砂糖が使用されている。
やめれば砂糖の摂取も減らせる
米国人が摂取する食品に占める砂糖の量は、健康上の問題として深刻さを増している。果物や乳製品などの自然食品も糖分を含むが、これらは栄養価が高い。一方で、超加工食品に使用される砂糖は、栄養分とは考えられない。
砂糖の過度の摂取は、肥満や2型糖尿病の原因となり、心臓病や脳卒中を招くリスクを高める。そのほか、高血圧や中性脂肪の増加、HDL(善玉)コレステロールの減少、インスリン抵抗性の発症とも関連している。最近では、添加された砂糖の摂取と非アルコール性脂肪肝疾患の関連性に関する研究も進められている。