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[左]永田暁彦 ユーグレナSMBC日興リバネスキャピタル代表業務執行役 [右]三宅徹 未来機械代表取締役社長(photograph by Toru Hiraiwa)

「四国発中東行き」の技術がエネルギー革命を起こす

 三宅徹が創業した未来機械は、中東諸国向けに、水を使わない太陽光パネル清掃ロボットの開発などを行う香川大学発スタートアップ。砂漠特有の砂塵が発電効率低下につながり課題となっている地域で、水を使わず自動で効率的に動き表面の砂ぼこりをとりのぞくロボットがソリューションになると期待されている。すでにサウジアラビア、カタール、UAEの3カ国で試作機が導入され、量産化へ向けて動き出している。

ユーグレナインベストメント、SMBC日興証券、リバネスが2015年4月に立ち上げたベンチャーキャピタルのユーグレナSMBC日興リバネスキャピタル永田暁彦代表業務執行役は8月、その第1号の投資先として未来機械に出資した。



永田:私たちは、「次世代日本先端技術育成ファンド(通称・リアルテックファンド)」のファンド名通り、インターネット上で解決しない、物理的な技術開発を伴う技術を「リアルテック」と呼び、投資対象としています。具体的には、バイオ、ロボティクス、エネルギー、アグリ、IoT(モノのインターネット)といった、日本が本来強い技術分野です。

現在、9社に投資決定していますが、その最初の投資先が三宅さんの未来機械です。なぜか—。それは、香川大学という地方の大学発ベンチャーであり、「大学発」「地方創生」につながる。つぎに、最初から「グローバルマーケット」。しかも、欧米やアジアでなく中東を狙っている。最後に、エネルギー問題を解決し地球規模の環境改善につながるという大きなビジョンがある点です。四国から生まれた技術系ベンチャーが中東で挑戦し、世界の課題を解決する—。当然、応援するしかないでしょうと。

三宅:我々は設立11年目のベンチャー企業。「一緒にぜひ」と思う投資家にやっと出会えたというのが率直な感想です。永田さんはユーグレナ取締役であり、大学発ベンチャーの感覚、苦労を共有でき、さらに東証1部の企業にまで成長させたという、得難い経験とノウハウを持っている。“先輩”として一緒にチームを組み、指導してもらいたいと思ったんです。

永田:僕らのファンドの大原則として、ユーグレナで経験した悪かったことを全部そぎ落とし、良かったことを全て行おうと。たとえば、未来機械に行っている開発、量産と段階的に投資をするマイルストーン投資もその一貫です。大企業との提携も、我々の経験則があるからこそ「大企業との連携、いいじゃないですか」では終わらせません。ベンチャーだからこその経験やネットワークを生かした支援こそ我々しかできないことですから。

三宅:中東では現在、人がブラシやモップで太陽光パネルの清掃を行っています。灼熱の中、何十万枚というパネルを。砂漠地帯なので水で洗えませんから。だからか、頻繁に行えず、パネルが真っ白に汚れています。ロボットによって人の職業が奪われるとよく言われますが、これは人がやるべき仕事ではありません。ひとつは、それを技術で解決したいと思っています。

もうひとつは、エネルギー問題の解決です。たとえば、ゴビ砂漠に大量に太陽光パネルを置くと、欧州全域の電力をまかなえるとさえ言われています。しかし、これらの地域では砂塵がボトルネックとなり、うまくいっていない。それを世界で唯一、水を使わず自動で掃除が可能な未来機械のロボットで解決できれば“エネルギー革命”が起きるかもしれません。

永田:お掃除ロボットと聞いたら、そこまでの未来感はシェアできないかもしれません。しかし、三宅さんの世界観は「リアルテックで、人と地球が一歩前に進む事業を支援しよう」という我々のファンドの思いを共有しており、今後がとても楽しみですね。


ながた・あきひこ◎ユーグレナSMBC日興リバネスキャピタル代表業務執行役
慶應義塾大学商学部卒業後、インスパイアに入社。2008年同社投資先・ユーグレナの社外取締役に就任。10年に完全移籍し、現在はユーグレナ取締役、ユーグレナインベストメント社長を務める。投資先は、未来機械、キノテック・ソーラーエナジー、クァンタリオンなど。

みやけ・とおる◎未来機械代表取締役社長 博士(工学)
1980年、岡山県生まれ。香川大学大学院工学研究科在学中の2004年に未来機械を設立し、現職。開発・製造拠点は香川県高松市。太陽光パネル清掃ロボットを量産化により200万〜300万円程度で、21年3月期に販売台数1,000台、売上高30億円を目指す。

山本智之 = 構成 平岩 享 = 写真

 

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