PICK UP

記事が気に入ったら
いいね!しよう

LIKE @Forbesjapan

Forbesjapanを
フォローしよう

FOLLOW @Forbesjapan

I write about energy and environmental issues.

gyn9037 / shutterstock

オハイオ州アクロンの公益事業持株会社ファーストエナジーが12月1日、オハイオ州公益事業委員会(PUCO)と驚きの内容の契約を結んだ。運営に莫大な費用を要しているオハイオ州の原子力発電所と石炭火力発電所が、天然ガス価格の下落の影響を受け閉鎖となることを防ぐ合意に達したのだ。

PUCOの理事による正式な承認はまだ受けていないが、この契約は電力市場を「競争力がある市場」と考える者にとっては物笑いの種だ。条項を見ると、明らかに公費の無駄遣いである。「この契約によりファーストエナジーの公益事業は、2016年6月から2024年5月までの8年間、2つの発電所から供給される電力の100%について電力販売契約(PPA)を結ぶものとする。」そしてその取引価格は市場価格を確実に上回るという。この助成制度に伴う消費者の負担は約39億ドルといわれ、地元紙は「ファーストエナジーの投資者を守るための策だ」と評している。

当然ながら株主以外の反応は厳しく、何百人もの消費者がPUCOに抗議文を提出した。次はその一例である。「ファーストエナジーとPUCOの間で行われている一連の交渉に心を痛めています。PUCOは合意に関する全ての情報を公開すると言いつつ、裏で隠れてファーストエナジーや反対派と会議を行ってきました。しかも反対派には会議内容の守秘契約を結ぶよう求めていたというではありませんか。いったい透明性はどこにあるのでしょう。「公益」事業委員会というからには、いかなる交渉も市民に開示しなければならないはずです。ファーストエナジーは目先の利益にとらわれ、中身のない強引な策で消費者を困惑させています。彼らのゲームに付き合うのはもうやめてください。」

オハイオ州の発電所を購入したヒューストンの電力会社Dynegyはこの合意を「ファーストエナジーの利益にしかならず、オハイオの住民や事業者の負担を増し、国の経済成長を妨げ、電力市場をファーストエナジーの利益になるように歪めるものだ」と評した。 

ファーストエナジー側は、将来天然ガスが値上がりした場合を考えると、発電所を守ることは長期的に消費者のためになると主張している。

太陽光発電や風力発電の助成制度を例に挙げてみよう。マサチューセッツ州最大の公益企業National Gridによれば、ネットメータリング制度によって2014年のマサチューセッツ州の消費者の負担額は計約3500万ドルになったという。一方ファーストエナジーへの助成制度によって、オハイオ州の消費者の負担額は年間計約4億8700万ドルになると予想される。マサチューセッツ州の太陽光発電量はネットメータリング制度で劇的に増加し、2014年には約700メガワットにものぼったと州は報告している。

消費者のソーラーパネル設置に助成金を使用したこの例とは対照的に、ファーストエナジーへの助成金は消費者に何の恩恵ももたらさない。それどころか、オハイオ州の大気を汚染するものなのだ。

編集=Forbes JAPAN 編集部

 

あなたにおすすめ

SEE ALSO

YOU MAY ALSO LIKE