楽曲を無許可で選挙CMに使用するのは明らかな違法行為だ。しかし、選挙キャンペーンで曲を流すことにはルールが定まっていない。『ローリングストーン』誌によると、スタジアムなどで候補者が曲を流す場合、著作権管理団体のASCAPやBMIに使用料を払えば、実際のところ問題は無いという。
しかし、政治活動で曲を流すことはアーティストのパブリシティ権(好ましいイメージをコントロールする権利)を侵害する可能性がある。
知的財産権に詳しい弁護士、ローレンス・アイザーはローリングストーン誌でこう述べた。「仮にドナルド・トランプが楽曲の使用料を適正に支払ったとしても、ニール・ヤングがパブリシティ権の侵害で彼を訴えることは十分可能だ」
トランプとの騒動発生後、ニール・ヤングは「俺はバーニー・サンダース候補を支持する」と言明した(彼はカナダ人なので米国の選挙権は無いにしても)。
選挙戦の行方がどうなるかは差し置いて、楽曲の使用に関して最も優勢に立っているのは、トランプよりも民主党のバーニー・サンダースだ。サイモン&ガーファンクルは彼らの代表曲『アメリカ』の選挙キャンペーンでの使用を、サンダースに対し全面的に認めている。