ビジネス

2016.01.24

ジェットラグが寿命を縮める?[Forbes WATCH〜時の進化〜]

Ender Onur/Anadolu Agency/Getty Images

国際的なビジネスパーソンを悩ませる時差ぼけ(=jet lag。2006年にアメリカ・バージニア大学の生物学者のグループが学術誌に発表した、ネズミを使った実験では、人間でいうと70歳から90歳に当たる高齢のネズミほど「朝が6時間早くなる」環境下で早死にし(=身体的にダメージを受ける)、いわゆる日本からアメリカに向かうなどの東向き航路ほど時差ぼけが起きやすいという傾向を裏付ける結論となった。

対策の研究も進んでいる。13年には京都大学の研究チームが体内時計をコントロールするスイッチとなるホルモンを発見。時差ぼけや夜勤による生活習慣病への一定の効果は世界的にも評価された。そして今年6月には岡山大学のチームもキイロショウジョウバエにおいて体内時計をリセットするタンパク質を発見したと発表。アメリカの科学雑誌『The Journal of Neuroscience』に発表。特効薬の開発が待ち遠しい。



多くの人が実際に体験しているのは、日本を起点として「西向き(例:ヨーロッパ行き)」と「東向き(例:アメリカ行き)」での時差ぼけには差異があるというもの。特に東向きほど時差ぼけが起こりやすくなるので、渡航前にはなるべく早起き体質になるよう準備するといい。
jetlag

文=Forbes JAPAN編集部

この記事は 「Forbes JAPAN No.18 2016年1月号(2015/11/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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