イノベーションによる成功は、既存の枠を破壊することを意味する。変化の過程そのものがブランドと市場に対する消費者の見方さえも変えてしまう、破壊を恐れないブランドこそが、飛躍的な成長を遂げる。そういったブランドは目立たないところで着実な進化を遂げ、競合他社が気付いた時には既に手遅れというわけだ。
また、こういったブランドは独自の文化を形成する。その代表的な例がアップルだ。ありとあらゆる慣例をくつがえし、既存の常識を破壊してきたのがアップルという企業だ。
かつてリチャード・ブランソンは言った。「破壊とは、直感を信じてリスクをとり、当たり前のやり方を前にノーという勇気をもつということだ。ブランドをどう成長させたいのか、どうすればそこへ辿りつけるのかを真剣に考えた上で起こす破壊がもたらす結果は、宣伝をはるかに上回る」
マーケットにもたらした破壊力とイノベーションの成功に照らして、筆者が独断で選んだ10社を、下記にご紹介したい。
1. ウーバー: 今、最も資産価値が高いとされる配車サービスのスタートアップ
2. エア・ビー・アンド・ビー: 個人の空き部屋をネットで仲介する、米国発世界最大の宿泊手配会社。
3. フェイスブック: 今年はショッピング機能の強化等を行った。
4. レッド・ブル: 強さの秘密はマーケティング。オーストリア発の飲料ブランド。
5. スナップチャット: 1日に20億件の画像と動画が「自動消滅」する写真共有アプリ。
6. アリババ: お得なショッピングで中国人を喜ばせる中国電子取引最大手。
7. ネットフリックス: 充実のコンテンツで7000万人の利用者を抱える米動画配信大手。
8. アンダー・アーマー: アフリカ系アメリカ人として初めてアメリカン・バレエ・シアターのプリンシパルダンサーに抜擢されたミスティー・コープランドをはじめ、プロゴルフのジョーダン・スピース、NBAのステファン・カリーをキャンペーンモデルに起用。この3人の大活躍で販売を拡大し、アンダー・アーマー旋風を巻き起こした。
9. インスタグラム:今年はタイムプラス動画等、新機能を強化した。
10. アップル: アップルウォッチでウェアラブル市場にも進出。
破壊力のあるブランドは、流行前の段階で消費者のトレンドを理解し、そこにより多くの資金を投入する。これらのブランドの多くがシェアリング・エコノミーへのシフトをいち早く察知し、ビジネスモデルを変化させた。また、こういったブランドの圧倒的多数が、テレビCMなど従来型の宣伝手法をビジネスモデルから除外している。
今や、数多くの老舗企業が、破壊的イノベーションの前に屈服している。P&G、マクドナルド、Yahoo!といった企業が業界の主導的ポジションを明け渡し、新進気鋭の競合からビジネスのインスピレーションを得ている。