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MAHATHIR MOHD YASIN / Shutterstock

Snapchat、Square、Dropboxといった有名ユニコーン企業(評価額が10億ドル(123億円)を超える非上場ベンチャー企業)の株価が急落している。アジアでも対岸の火事というわけにはいかず、中国やインドのベンチャー企業もこの流れに飲み込まれている。

今、テクノロジー関連株の新たなバブル崩壊が現実味を帯びてきている。実際に、ベンチャーキャピタルに支えられてきた企業が増資を行おうとしても、前回の資金調達時ほどの評価を得られない案件が発生している。また、ユニコーン企業の中には、今後いつまでも利益を上げることができないものもあることに皆気付き始めているのだ。実際に、香港で開かれたアジア・プライベートエクィティ・アンド・ベンチャー・フォーラム(AVCJフォーラム)では、一社も生き残れないのではないかという話まで上がっていた。

Highland Capital Partnersのベンチャー投資家Chuan Thor(涂鸿川)氏は、増資の際に前回の資金調達時の8億ドルから3.8億ドルへと株価評価の下がってしまった(ダウンラウンド)中国のベンチャー企業もある、と語る。Walden Internationalのビル・リ氏ら他の投資家も、これまでベンチャーキャピタルからの資金調達に支えられていた企業が、エクイティファイナンスではなく、ブリッジローンやベンチャーローンを頼ったりすることが多くなっていると指摘する。

評価額が10億ドルを上回るユニコーン企業125社の内、約4分の1を中国とインド、東南アジア企業が占める。シリコンバレーが飛ぶ鳥を落とす勢いだった15年前、アジアにベンチャーキャピタルなどほぼ皆無だったことを考えると驚くべき数字である。中でも評価額が高いのは、中国の通信機器メーカーXiaomi、インドの大手ECサイトFlipkart、中国版UberのDidi Kuaidiだ。2015年第2四半期の中国へのベンチャーキャピタルの投資が史上最高の359件85億ドルだった(VentureSource発表)あたりから、危ないバブルの兆候があらわれ始めた。

投資額について補足するならば、昨年、中国へのベンチャーキャピタルの投資額は150億ドルに達した。これは米国の600億ドルと比較すれば小規模ではあるが、それでも世界第2のベンチャー市場としての存在感は呈していた。

緊縮傾向にある環境下で、ベンチャーキャピタルのディールメーカーたちの合言葉は「注意深く行け」だ。ベンチャーキャピタリストも、エンゼル投資家も資金の供給量を減少させていて、どのベンチャーに投資するかについて、これまで以上に厳しい目で選定するようになっている。起業家たちは、既に投資を受けているベンチャーキャピタルから、現在の下降局面を乗り切るまで手元資金を切らさないよう、支出は慎重に行うように言われているという。(Vector Venturesのアラン・チャン氏他パネリストのコメントはSilicon Dragon Video(英語のみ)でご覧になれます)

中国やインドで急増しているM&Aも、起業家やディールメーカーが現在の高スピードで変化する市場環境に対して、規模の論理で乗り切る戦略を求めているあらわれだろう。競合し合う会社が2社あるよりも、規模の大きい1社の方が強く、高い評価額を得ることもできるのだ。

とはいえ、何もかもが悲観的な状況なわけではない。GGV Capital、Morningside Ventures、Gobi Partners、Sequoia Capital India等の新規ファンドに資金を調達したベンチャー投資家は、よい成果が期待できるだろう。また、評価額が抑えられる傾向になったことにより、勢いのある若いビジネスに投資資金が回るチャンスでもある。中国では、IPOが再び可能になったことにより、エグジットやリターンの数も増加するだろう。更に、アジアは人口が多いこと、中流層が増加していること、そしてテクノロジーに精通した消費者が多いことなどが、域内諸国経済の強い下支えとなり、突然の相場下落の打撃からも、アジア地域を守ることができるのではないだろうか。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

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