新興企業が成長する際にぶつかる壁、それが「採用活動」だ。社員は日常業務に忙殺されながら、慣れない面接を行い、しかも企業文化に合うかどうかを見極める必要がある―。悩みは尽きない。
宿泊賃貸サービス「エアビーアンドビー」も2011年、こうした悩みに直面していた。
“シリコンバレーで最もアツい新興企業”が社員数を50人から500人に増やすとあって、就職希望者が殺到。ところが、肝心の面接は予定通りに行われず、有力な候補は何週間も放置されたままに。
その結果、「面接の段取りが悪い」「履歴書もろくろく読まずに面接が行われた」と、候補者たちは対応の悪さに苛立ち、内定者の50~60%しか入社しなかったのだ。
そこで、事態を危惧した同社共同創業者のジョー・ゲビア(33)は、昔ながらの迅速で明確、そして誠実な対応を心がけるように仕切り直した。
「採用では段階ごとに、入社希望者がどう感じるかを考えて接するようにします」
就職希望者に駐車場所のアドバイスをしたり、面接前に水を出したり、また、担当の社員を付けたりするなど、採用活動を改善。今では、エンジニア職内定者の入社率が80%に上がっている。