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2024.06.13 11:30

アップル生成AI ChatGPTも取り込む「開かれたAIプラットフォーム」になれるか

アップル独自の生成AI「Apple Intelligence」がWWDCで発表された

OpenAIやグーグルが独自に開発する生成AIの強化を進める中、今年もアップルがクパティーノの本社で開催した世界開発者会議「WWDC24」では、アップルによる生成AIの戦略に関心が集まった。

アップルが発表した「Apple Intelligence」について、筆者が現地取材を通じて把握できた情報を掘り下げてみたい。

Apple Intelligenceの登場は秋以降。日本でも試せる

アップルが公開したApple Intelligenceのホワイトペーパーによると、Apple Intelligenceは、アップルがユーザーの日常的なタスクを想定して独自に構築・微調整した生成AIモデルをベースにしているという。このモデルは権利者の許諾を受けたロイヤリティフリーのストック写真、ウェブに公開されているオープンライセンスのデータ、その他高品質のデータセットをソースとしたトレーニングにより構築されている。さらに人間のフィードバックによる強化学習を加えながら、モデルの品質は今後も継続的に改善が図られる。

Apple Intelligenceはテキストや画像、音声など複数種類のデータが扱えるマルチモーダルAIだ。ユーザーが書いたメールのテキストを修正したり、イラストを生成してプレゼンテーションに貼る、自然な言い回しでSiriに話しかけて検索するといった、ビジネスシーンにも役立つ多様な使い方ができる。

アップルは今秋に予定するiPhone、iPad、Macの正式ローンチに合わせてApple Intelligenceのベータ版を各OSに組み込む。Apple Intelligenceは無料のアップデートとして提供されるが、使えるデバイスはiPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Max、Apple M1以降を搭載するiPadとMacに限られる。

日本語を含む「英語以外」の言語に対応する時期は明らかにされていない。ただし、対応するデバイスとSiriの言語を「英語(米国)」にセットすれば、Apple Intelligenceの提供開始後から日本でも試すことができる。
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編集=安井克至

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