米連邦取引委員会(FTC)は4月21日、配車サービス大手ウーバーが、十分な説明を行わずにサブスクリプション(定額課金)サービスに顧客を加入させ、解約手続きを困難にしているとして提訴した。
FTCは、ウーバーの定額課金プログラム「Uber One」の勧誘にあたって、消費者に「最大25ドルの節約が可能になる」という嘘を信じ込ませ、請求日よりも前に料金を徴収していると主張している。この訴訟はさらに、ウーバーがこのプログラムの解約プロセスを、最大23画面を経由する必要がある複雑なものにしていると主張している。
FTCは21日の声明で、ウーバーの「詐欺的な行為」がFTC法に加えて、取引条件に同意する前の顧客に企業が請求を行うことを禁じるROSCA法(オンラインショッピング消費者信頼回復法)に違反していると述べている。ROSCA法は、企業がユーザーをだまして判断を誤まるように誘導する「ダークパターン」の規制のための法律の1つとして知られている。
ウーバーの広報担当者は、フォーブスに対する声明で「当社はこの訴訟に失望している」と述べ、裁判での勝訴を「確信している」と主張している。「Uber Oneの登録および解約プロセスは、簡単かつ明瞭なものであり法を遵守している」と同社は述べている。
ウーバーの株価は21日の市場で約3%下落し、約73ドルに沈んだ。
ウーバーの広報マネージャーのライアン・ソーントンは、FTCの個別の主張に反論したEメールの中で、同社が「消費者の同意なしに料金を請求することはない」と主張しており、「解約の大多数は、アプリ内で20秒もかからずに行われている」と述べている。同社はまた、Uber Oneの登録プロセスにおいて、顧客に十分な説明を行っていると主張している。
FTCの元委員でウーバーの外部顧問を務めるクリスティン・ウィルソンは、フォーブスに宛てた声明で、今回の執行措置に先立つFTCの調査が「異例の早さ」で進められたと非難し、「最後の段階で新たな未確認の主張が追加されたことで、状況がさらに悪化した」と主張した。彼は、「FTCがかつてのような厳格さと公平さを欠いているのは残念だ」とも述べている。
ウーバーは、連邦政府がハイテク大手に対する規制を強化する中で提起した一連の訴訟の最新の標的となっている。アップルやメタ、グーグル、アマゾンに対する反トラスト法(独禁法)訴訟は、トランプの1期目の政権で提起され、バイデン政権下でさらに進展していた。
グーグルのオンライン広告技術が独禁法に違反しているとして、米司法省などが提訴していた裁判で連邦地裁は17日、グーグルが広告事業の一部を違法に独占していると判断した。司法省は、グーグルのこの独占を排除するための措置の一環として、同社にWebブラウザであるChromeの売却を求めている。