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北米

2025.04.21 13:00

トランプ政権が医学ジャーナルにも「圧力」、Wokeだと監視対象へ

ドナルド・トランプ米大統領(Win McNamee/Getty Images)

ドナルド・トランプ米大統領(Win McNamee/Getty Images)

トランプ政権は、保守派が「Woke(ウォーク)」と呼んで揶揄する社会的正義を重視する思想を排除するために、医学関連の学術ジャーナルまで監視対象にしているようだ。

呼吸器疾患や睡眠医学に特化した査読付き医学誌『CHEST』は4月14日、トランプ米大統領が指名した米首都ワシントン連邦地検のエド・マーティン検事正代行から、同誌が「党派的」であるかどうかを尋ね、「対立する見解」を受け入れているかどうかを質問する書簡を受け取った。

この書簡の全文は、シカゴの社会精神科医エリック・ラインハート医師によって、17日にX(旧ツイッター)とBlueskyに投稿された。CHESTを発行する米国胸部疾患学会は、フォーブスに対して、この書簡を受け取ったことを認め、その内容が同学会の許可なくオンラインで公開されたと述べた。

医療分野の業界誌『MedPage Today』は、少なくとも3誌がこのような書簡を受け取ったと報じたが、他の2誌の名前は明らかにしていない。

オンラインで公開された書簡は、CHESTの編集長でクリーブランド・クリニックで呼吸器専門医を務めるピーター・マッツォーネ医師に宛てられたものだった。その中でマーティン検事正代行は、「CHESTジャーナルのような学術誌や出版物が、さまざまな科学的議論において党派的立場を取ることが急増している」と述べ、5月2日までに5つの質問に回答するよう求めている。

質問には、同誌が読者を誤情報からどのように保護しているのかや、同誌が「対立する見解」を受け入れているかどうか、著者が読者をミスリードした場合にどう対処するのかなどの項目が含まれていた。

CHESTの広報担当ローラ・ディマジは、90年の歴史を持つ同誌は学術出版界における倫理的ガイドラインを遵守していると述べて、「私たちは、これまで膨大な数の科学研究や臨床治療における画期的な論文を発表しており、医療分野の発展に貢献してきた」と主張している。

フォーブスは『JAMA』や『Science』などを含む主要な医学ジャーナル7誌に、これと類似した内容の書簡を司法省から受け取ったかどうかをメールで質問した。その結果、回答したのは『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)』のみで、同誌は書簡を受け取っていないと答えている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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