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2025.04.22 08:00

中国発、東洋のスタバ「覇王茶姫」が米ナスダック上場 時価総額8300億円に

中国湖北省宜昌市にあるCHAGEEの店舗(Photo by Costfoto/NurPhoto via Getty Images)

中国湖北省宜昌市にあるCHAGEEの店舗(Photo by Costfoto/NurPhoto via Getty Images)

中国の飲料チェーン「覇王茶姫(CHAGEE)」の持株会社である茶姫控股(Chagee Holdings)は4月17日、米中間の貿易戦争が激化する中で米ナスダックに上場した。

トランプ米大統領が、中国企業を米国の証券取引所で上場廃止にすると繰り返し警告しているにもかかわらず、「東洋のスターバックス」の異名を持つ覇王茶姫の株価は、上場初日の取引で16%高を記録した。同社の時価総額は17日の終値ベースで約59億ドル(約8300億円)に達しており、Forbesは同社の創業者で会長の張俊傑(30)の保有資産を約8億ドル(約1130億円)と試算している。

覇王茶姫は、1470万株の米国預託株式(ADS)を1株あたり26ドル〜28ドルという想定価格帯の上限で売却し、4億1100万ドル(約580億円)を調達したが、「この売出し価格は、他の中国の競合と比べると割安だった」とシンガポールを拠点とするDZTリサーチの調査責任者、ケ・ヤンは指摘した。

「投資家たちは、覇王茶姫の株を買うことで手早く利益を上げられると考えた」と彼は述べている。覇王茶姫株の売出し価格は、2025年の予想1株あたり純利益(EPS)の15倍未満に設定されていた。これに対し、香港市場に3月に上場した同業のMIXUE(蜜雪冰城)の株価収益率(PER:株価がEPSの何倍の価値になっているか)は約37倍となっている。

覇王茶姫が米中の対立が激化する中、あえて米国市場での上場を選んだ背景には、同社の競合他社が最近相次いで香港で上場したことが挙げられると、北京を拠点とする投資銀行Chanson&Coのシェン・モンは述べている。

「香港市場においては、飲料チェーンが調達できる資金に限界がある一方で、中国本土の取引所はハイテク分野の企業の上場を優先している。そのため覇王茶姫にとっては、米国市場での上場が唯一の現実的な選択肢となった」とシェンは述べている。

覇王茶姫は現在、中国全土に約6440店舗を運営中で、ウーロン茶やジャスミン茶などの伝統的な中国茶を現代風にアレンジした飲み物を約20元(約390円)で提供している。同社の売上高は昨年、前年比167.4%増の124億元(約2400億円)、純利益は213.3%増の25億元(約480億円)に達していた。

一部のアナリストが中国の飲料チェーン市場の飽和を指摘する中で、覇王茶姫は海外市場に活路を見出そうとしている。公式サイトによれば、同社は2018年に国際事業を担当する部門を設立しており、マレーシアやシンガポール、タイなどで156店舗を開設している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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