ヘルスケア

2025.04.24 16:15

特殊なカラオケの熱唱が認知機能に影響を与える可能性

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脳の病気や障害によって認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす認知症。症状の進み方は要因によって異なり、「正常圧水頭症」や「慢性硬膜下血腫」などが原因であれば治る可能性はあるが、「アルツハイマー型認知症」や、「血管性認知症」などの脳細胞の障害から発症したものは、基本的には進行を遅らせることはできても、完治することは現在のところ難しいとされている。

ただ、さまざまな研究が行なわれており、その中の1つ、注意や記憶、学習などに認知機能が働くときに現れる脳波の一種「ガンマ波」をアルツハイマー病のマウスモデルに当てると、アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβタンパク質の蓄積を減らし、記憶力や学習能力といった認知機能を改善する可能性を示した研究結果がある。この研究結果をもとにJOYSOUNDを展開するエクシングが、「ガンマミュージック」の研究・開発を行っているVIEと共同で、「ガンマ波」をカラオケに融合した「ガンマ波カラオケ」を開発。実証実験を実施している。

それによると、19名の被験者を対象に、ガンマ刺激を含むカラオケ曲と通常のカラオケ曲の2条件で、「歌唱前に曲を視聴する」「曲を歌唱する」「歌唱後に曲を視聴する」の3回、脳波を測定。

その結果、「ガンマ波カラオケ」の視聴中、歌唱中ともに、ガンマ波が有意に高く、特に歌唱中に最も高くなり、一方通常のカラオケ曲では、ガンマ波の変調はみられなかった。

このように、ガンマ波刺激と、歌唱による神経可塑性の促進効果や認知能力向上効果を組み合わせることで、ガンマ波の誘発により高い影響を与える可能性を示唆。単なるガンマ波を浴びるよりも歌って楽しんだほうが効果的ということで、認知症治療にガンマ波カラオケが採用される……、かどうかはわからないが、脳に刺激を与えることはいいことなので、認知症になる前からガンマ波カラオケで歌って楽しんでストレス発散されるのもいい。

すでに以下の楽曲が配信されているので、試してみてはどうだろう。

出典:エクシング「ガンマ波カラオケ実証実験結果」より

文=飯島範久

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