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モビリティ

2025.04.19 13:00

米国並みの質に近づく中国ロボタクシー、政府が義務づける「ブラックボックス」を搭載

中国・重慶で走行するバイドゥのロボタクシーサービス「Apollo Go」(He Penglei/China News Service/VCG via Getty Images)

中国・重慶で走行するバイドゥのロボタクシーサービス「Apollo Go」(He Penglei/China News Service/VCG via Getty Images)

米国を含む西側諸国であまり報じられることは少ないが、中国ではロボタクシー(自動運転タクシー)の開発が急ピッチで進んでいる。中国には4つの主要なロボタクシー企業があり、その中でもバイドゥ(百度)が支配的な存在となっている。

4月2日にロサンゼルスで開催されたモビリティと人工知能(AI)をテーマとしたカンファレンス「Ride AI」には、自動運転やロボタクシー分野の関係者がつめかけたが、その中には2024年11月に米ナスダックに上場を果たした中国のロボタクシー企業Pony.AI(小馬智行)の幹部も含まれていた。

同社の副法務責任者であるザイオン・マッフェオは、中国におけるロボタクシーの規制についての詳細を明らかにした。Pony.AIは、法人登記上は米国で創業した企業だが、すべてのオペレーションを中国で行っている。

マッフェオによると、中国の当局はロボタクシー企業を厳しく監視しており、この分野の企業のテストや運行エリアに関して、あらゆる段階で承認を義務づけている。同国のロボタクシーのテストはまず、世界中の他の国と同様に、人間のセーフティードライバーを運転席に乗せた方式で始まり、次に助手席にセーフティードライバーを乗せた方式に移行する。さらにその後は、後部座席に監督者を乗せてのテストを経て、無人の車両による、比較的単純な道路エリアでの走行テストが許可される。

また、その後の大きな進展としては、リモートの監視員が常時監視を行う体制のもとで、無人の車両による走行テストが実施される。その段階から、一般の乗客を乗せた運行テストが可能になり、より複雑な道路へとテストエリアが拡大されていく。さらに後の段階では、リモートでの常時監視が不要となるが、非常時の監視や支援を行うオペレーターを置くことが義務づけられる。

Pony.AIは現在、1人の遠隔オペレーターが3台の車両を管理するための許可を持っており、15台に対応する許可も申請中だが、現状でオペレーター1人が何台を担当しているかについてはコメントを避けている。バイドゥも同様の質問に答えなかった。

米国の規制は、中国ほどは厳格なものではなく、各社とも同様のステップを踏んではいるが、運転席以外の場所にセーフティードライバーを乗せるテスト方式は、多くの場合、採用されていない(一部のハンドルを持たない車両を運用している企業では、緊急停止を担当する人員を同乗させる場合がある)。また、カリフォルニア州では、セーフティードライバーを乗せたテストと無人のテスト、乗客を乗せたテストの3段階に大別されるシンプルなテスト体系をとっているが、アリゾナ州やテキサス州には、ほとんど特別な規制が存在しない。

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編集=上田裕資

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