米国と中国の両方のロボタクシーを体験したユーザーはまだ少ないため、トンのレポートは貴重なものだ。彼女は、最初の中国訪問でバイドゥのロボタクシーサービス「Apollo Go」の第5世代の車両を利用したが、車両の性能やそのサービス全体に対する評価は非常に低く、「受け入れがたいレベルだった」と述べている。しかし、再訪時に試乗した第6世代の車両については大きく改善されており、中国企業の中では最高の出来で、ウェイモに近いクオリティだと評価した(ただし、ウェイモのレベルにはまだ及ばないとも述べている)。
初回の利用ではサービスエリアが限定され、待ち時間が非常に長く、乗り心地も悪かったが、第6世代車両が導入されていた武漢では状況が大きく改善されたという。トンによるとバイドゥの第5世代の車両は、第6世代と比べてLiDARセンサーの数が少なく、処理能力もおそらく低い。また、ハードウェアの制約により最新のソフトウェアが搭載されていない可能性もあるという。
マッサージチェアも装備
彼女は、他の企業のロボタクシーやロボバスにも乗車する機会を得ていた。WeRide(文遠知行)のロボバスについて彼女は、バイドゥのApollo Goに近いレベルであると評価したが、WeRideのロボタクシーはそれよりやや劣ると感じたという。Pony.AIのロボタクシーは、それと同程度の評価だった。
もちろん、こうした単発の体験や動画だけで、特定の企業のロボタクシーの品質全体を評価することは難しい。ロボタクシーのクオリティを測るには大量の統計データが必要だが、どの中国企業もそれを公表していない。
一方、トンはバイドゥのロボタクシーの乗り心地以外の要素、たとえばマッサージチェアや座席のヒーターなどの装備についても非常に好意的な感想を述べている。バイドゥは、同社のロボタクシーの製造コストが1台あたり約2万8000ドル(約400万円)だと述べているが、このような低コストで充実した装備を実現した点も興味深い。
彼女のこうした指摘は、ロボタクシー市場の競争が本格化した際に「快適性」がどれだけ重要な要素になるかという疑問を投げかける。トンは座席にマッサージ機能を備えた車両をぜひ選びたいと述べていた。
アマゾン傘下のZoox(ズークス)は、自社開発のロボタクシー車両によって既存の車両とは異なる最高の体験を提供しようと大きな賭けに出ている。ウェイモも以前は、中国のZeekr製の広々とした車両を使用する計画だったが、バイデン前大統領による中国製EVへの100%の関税(トランプ大統領によってさらに引き上げられた)を受けて、その計画は縮小されたようだ。


