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2025.03.26 12:00

ウェイモが米首都に「ロボタクシー」拡大へ、東京でもテスト開始

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米アルファベット傘下のWaymo(ウェイモ)は、米国をリードする自動運転テクノロジー企業として、数百万人の新たな顧客を獲得し事業を拡大するために来年、ワシントンD.C.で有料の自動運転ライドサービスの提供を開始する予定だ。

カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置くウェイモは、すでにフェニックス、サンフランシスコ、ロサンゼルス、オースティンそしてベイエリアのいくつかの地域で運転手なしの車両による旅客輸送で収益を上げている。同社は、ワシントンD.C.でのサービス開始に向けた準備として、現地でのテスト走行を再開するという。

ウェイモはまた、今年中にマイアミでサービスを開始し、2026年にはアトランタにも進出する計画であり、すでにサービスを展開中の都市でも事業の拡大を図る。2023年にサンフランシスコで発生した事故を受けて、ゼネラルモーターズ(GM)が昨年、自動運転部門のクルーズを廃止して以来、米国のロボタクシー市場はウェイモがほぼ独占している。

ただし、イーロン・マスク率いるテスラも、この状況に変化をもたらそうとしている。

マスクは、テスラが本社を置くテキサス州オースティンで、今年6月に限定的なロボタクシーサービスを開始すると述べているが、その詳細はほとんど明かされていない。ここで重要なのは、テスラが公道上の広範なテストをまだ行っていない点だ。

さらに、マスクは自動運転車が「カメラから得られるデータだけで安全に運行できる」と主張しており、他のすべてのロボタクシー企業が不可欠だと考えているLiDARやレーダーの使用を避けている(先日あるYouTuberがテスラの車両が道路上に設置された「透明に見える壁」を障害物として検知できるかという実験を行ったところ、テスラ車はその壁に激突し、マスクの考え方の欠陥が浮き彫りとなった)。

一方、ウェイモは昨年、サンフランシスコとロサンゼルスでのサービスを開始しており、フォーブスは同社の2024年の収益が約1億ドル(約150億円)に達したと推定している。ウェイモは、運行する全都市で週に20万回以上の有料ライドを提供しているが、これまでのところ重大な事故を発生させていない。

東京でも試験運行

ただし、事業拡大にともないそのリスクも高まっている。

カーネギーメロン大学で自動運転技術を研究するフィル・クープマン教授は、「ウェイモの拡大のスピードが速すぎるかどうかは、彼ら以外の誰にもわからない」と語った。ウェイモの商業運行は、現状で米国内に限られているが、同社は東京でのロボタクシーのテストも開始している。

自動運転分野では、テスラに加えてアマゾン傘下のZoox(ズークス)も今年中にラスベガスでロボタクシーサービスの開始を目指しており、ミシガン州アナーバーを拠点とするMay Mobility(メイ・モビリティ)もアトランタ郊外で自動運転ライドサービスを展開し、ミシガン州、テキサス州、ミネソタ州、アリゾナ州、カリフォルニア州でテスト車両による無料乗車を提供中だ。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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