スイスのジュネーブで4月1日から7日まで開催された高級時計の見本市「Watches & Wonders 2025(ウォッチズ&ワンダーズ)」は、少なくとも来場者数という点において今年は過去最高を記録した。出展した主な高級ブランドが発表したのは、主に限定仕様モデルや限定生産モデル(中には1点のみが製作されたものもあった)であったにもかかわらず、来場者数は増えており、主催者の公式発表によれば、昨年の4万9000人から12%増となる5万5000人以上が一週間に来場したという。小売業者は6000人(昨年比5%増)、ジャーナリストは1600人(昨年比7%増)、そして一般公開日のチケット販売数は2万3000枚(昨年比21%増)に達し、会期中にハッシュタグ 「#watchesandwonders2025」が付けられたソーシャルメディアの投稿は、7億人以上にリーチしたと推定される。
このウォッチズ&ワンダーズでは、今年発表される腕時計の最も重要な展示会に加え、時計関連施設や工房のガイド付き見学ツアー、時計づくりを体験できるワークショップ、表彰式、パネルディスカッション、そして音楽ライブなどのエンターテインメントイベントも催される。
「幅広い層の観客に向けてショーを開放するという我々の取り組みが成功していることをはっきりと示している」と、ウォッチズ&ワンダーズのマチュー・ユメールCEO(最高経営責任者)は語る。「来場者の平均年齢は35歳と、若い人々が腕時計に関心を持っていることが表れている」

この見本市は、出展社が理事会を構成する非営利組織のウォッチズ&ワンダーズ・ジュネーブ財団(WWGF)によって運営されている。同財団の理事会長は、元カルティエCEOのシリル・ヴィニュロンが務める。今年はLVMHグループに属するウブロ、ゼニス、タグ・ホイヤーなどのブランドに初めてブルガリが加わり、カルティエ、ピアジェ、A.ランゲ&ゾーネ、ジャガー・ルクルト、ヴァシュロン・コンスタンタン、パネライなどのリシュモン傘下のブランドや、シャネルやエルメスといった大手ブランドも参加。ルイ・ヴィトンやブライトリングはまだ契約に至っていないが、おそらく出展社リストにおける最も大きな不足は、ブレゲ、ロンジン、オメガ、ブランパン、ハリー・ウィンストンなどを含むスウォッチ・グループが参加していないことだろう。「ショーを物理的に拡大する余地はまだある。ジュネーブのホテルの収容力にも余裕がある」とWWGF理事会長のヴィニュロンは語る。「スウォッチ・グループが出展できる余地はある。以前から招待しており、彼らが参加したいというなら歓迎する」