American Cancer Society誌で発表された研究によると、30歳以上の成人で発症したがんの5件に2件近くと、がんによる死亡の約半数(44%)が生活習慣と関連していた。
この研究の著者らは、米国における最新(2019年)の相対危険度とがん発症データを調査し、30歳以上の成人における浸潤がんの症例(悪性黒色腫以外の皮膚がんを除く)と死亡事例のうち、修正可能なリスク因子に起因する割合と数を推定した。がんの罹患および死亡に寄与するリスク因子の第1位は喫煙であり、第2位は過剰な体重と飲酒であった。
これらのリスク因子は驚くべきものではないが、これらの生活習慣の選択が、がんになる可能性にどの程度影響するかを本当に理解している人はどれほどいるだろうか?
たとえば喫煙は、前述の研究ではがん患者のほぼ5人に1人、がん死亡者のほぼ3人に1人の原因となっている。タバコの煙に含まれるさまざまな有害物質は免疫システムを弱め、がん細胞を殺すことを難しくする。さらに、これらの有害物質は細胞のDNAを傷つけ、その細胞を必要以上に成長させ、がんを引き起こす可能性がある。
米疾病予防管理センター(CDC)によれば、タバコの煙は肺、血液、食道、大腸、腎臓、膵臓、膀胱など、身体のほぼすべての部位にがんを引き起こす可能性がある。また、副流煙でさえ、肺がんなどを引き起こす可能性があるという。
さらに目を見張るのは、禁煙がもたらす健康への恩恵の大きさと速さである。CDCによれば、禁煙後わずか5年以内に、咽頭がんや口腔がんにかかる確率は50%低下するという。これは、タバコの煙が米国における予防可能な死亡原因のトップである多くの理由の1つに過ぎない。