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サイエンス

2025.04.12 18:00

「わかってほしい」が夫婦の絆を壊す、結婚を静かに蝕む2つの負担との向き合い方

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『Journal of Business and Psychology』誌に2023年に掲載された、「卵を買うことを覚えているのは誰?」という、実にふさわしいタイトルがつけられた論文は、見えない負担が家族に及ぼす影響を検証している。

研究チームによれば、皿洗いやゴミ出しといったタスクは目に見えるが、予定を忘れずに覚えておく、家族のスケジュールを管理する、それぞれの感情的なニーズを察知するといった目につきにくい責任も、かなりの認知的負担や感情労働を必要とする。

さらに悪いことに、こうした見えない負担を引き受けるのは、圧倒的に女性が多い。これは女性に対して、家族を世話し、家庭を切り盛りすることを当然のように求める伝統的な性別規範を反映したものだ。この不均衡は見過ごされることが多く、当然ながら怒りや疲労感につながる。

配偶者がこの見えない負担に気づかず、さらにはその存在を認めない場合には、重荷を負う側の精神的・肉体的ウェルビーイングを妨げる大きな負担となり、結果として夫婦関係にもダメージを与える。

この重荷を負う側の配偶者は、自分が見えない存在となり、評価されず、タスクをこなして当たり前だと思われていると感じ、夫婦関係において孤立感を深めていく。複数の役割や責任をなんとかこなしているのに、まったく認められず、サポートも得られないからだ。

この問題に対処するには、見えない負担を可視化することが不可欠だ。また、負担を担ってこなかった側の配偶者は、夫婦の共同生活を維持・管理するために注がれている、あらゆる努力に気づくようにしなければならない。

つまり、問題を自分ごととしてとらえてより多くのタスクを担い、人としての成長に心を砕き、心理、感情、肉体すべての面で真に対等のパートナーになるように努力しなければならない。

そのための第1歩は、見えない重荷に関わる心理・感情面での労力を認識することだ。それを踏まえれば、カップルは協力しあって、こうした重荷をより均等に担えるようになるはずだ。

感謝の気持ちを表に出す、ニーズを明確に示す、感情や心理面での負担について気にかける──こうした小さくも意図的な変化は、夫婦関係に新たな息吹を吹き込む可能性がある。

結婚における最も強固な結びつきとは、重荷と無縁のものではない。むしろパートナー同士が重荷を認識してともに取り組み、それによって絆が強くなっていく関係なのだ。

forbes.com 原文

翻訳:長谷睦/ガリレオ

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