仕事を掛け持ちするための戦略
もしあなたが仕事を掛け持ちしているのなら、デメリットを最小限に抑えながら恩恵を最大限に受けられるようにするために、以下のアプローチを検討してほしい。
1. 金銭面のメリットを現実的に考える
米国中央銀行のデータによると、仕事を掛け持ちする米国人の年収は5万7865ドル(約865万円)で、仕事がひとつだけの人の年収5万6965ドル(約852万円)より約900ドル(約13万円)多いだけだ。ストレスや拘束時間の増加がわずかな収入増に見合うかどうかを、慎重に判断した方がいい。必要に応じて、費やす時間に対する利益を最大化する、より高収入の選択肢を検討しよう。
2. 補完的なスキルを活用する
すでに身につけている専門知識を生かせる副業、またはキャリアの目標につながる新しいスキルを習得できる副業を探そう。このアプローチにより、副業を単なる収入源から戦略的なキャリア開発の機会へと変えることができる。
3. 明確な境界線を定める
燃え尽き症候群(バーンアウト)を防ぎ、パフォーマンスの質を維持するために、本業と副業の時間を明確に分けよう。例えばグラフィックデザイナーであれば、昼間の本業と夜に行うフリーランスの仕事の間に休憩時間を設けることによって、区切りをつけられる。
4. 価値の高い仕事を優先する
副業すべてが、費やす時間に相応しい報酬をもたらすわけではない。さまざまな労働の時間当たりの収入を分析し、最もいい報酬が得られるものに焦点を絞ろう。スキルアップを図ることによって副業でより高い報酬を求められないか、検討するといいだろう。
5. 不労所得を得る機会を探る
掛け持ちする仕事は労働を伴うものがほとんどだが、投資の配当や賃貸収入、デジタル製品の販売など、時間的に拘束されることが少ない不労所得で収入を補うこともできる。
副業の未来
米国人が仕事を掛け持ちするという傾向は、当面続きそうだ。掛け持ちを検討する際には、金銭面でのメリットと犠牲にするものの両方を考慮したい。掛け持ちは不可欠な収入や貴重な経験をもたらすかもしれないが、追加で得られる平均的な収入はさほど多くないため、明確な目標と境界線を定めた上で戦略的に判断すべきだと言える。仕事を掛け持ちする傾向が一時的なものなのか、それとも今後数十年にわたり就業へのアプローチを根本的に再構築するものなのかは、依然として不明だ。