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2025.03.27 17:30

永遠の愛はもう古い?「新しい現代の結婚」自分らしさ重視の3つのかたち

Tirachard Kumtanom / Shutterstock

2. 更新・解消できる、期限付き「お試し婚」

「お試し」で結婚してみたいと思ったことはないだろうか。つまり「末永く幸せな結婚」が本当に自分に適しているかがわからないので、「生涯添い遂げる」という誓いを立てずに結婚を試せる方法があればいいのに、と思ったことはないだろうか? 

そういう人には、メキシコで2011年に法制化が検討された「期限付きのお試し婚」が、あなたが求める自由のかたちかもしれない。

BBCの記事によるとメキシコでは2011年、上昇し続ける離婚率を抑えることを目的として、カップルに2年間のお試し結婚を認める民法改正案が提出された。結婚生活がうまくいかなかった場合は、離婚する代わりに結婚許可の期限が切れるまで待てば、結婚を解消できるという内容だ。後の混乱や対立を避けるために、結婚に伴う義務や法的責任、育児関連の問題は、すべて契約書に記載することになっていた。

このアイデアは結局、法制化には至らなかったが、多くの国で高まりつつある懸念に対処している。

2024年に発表されたある研究では、結婚が永続するか否かの予測には、教育や性的満足度、さらには不妊症などの要素が影響する可能性が明らかにされた。問題はほとんどの人が、こうしたデータを考慮せずに結婚を誓ってしまうことだ。

多くのカップルは実質的に、結婚生活がうまくいかない可能性を示すデータを前もって確認することなく結婚してしまう。さらに困ったことに、そうしたデータは手に入らない。だからこそ期限付きで、更新も解消も可能なお試し婚は、興味深い解決策になるかもしれない。

3. 離れて暮らす「別居婚」

西洋文化の影響を受けた社会で暮らしているなら、西洋がいかに個人主義を大切にするかはご存じだろう。西洋社会は良くも悪くも、「共同体」の意識から遠ざかりつつあるようだ。なかには個人主義という考え方を、結婚にまで当てはめる文化もある。

オランダには、「LAT」という結婚制度がある。LATとは「Living Apart Together(離れてともに暮らす)」の略だ。結婚はしたものの、さまざまな理由で別居を選ぶカップルのための制度だ。LAT婚のカップルは、結婚によって得られる特典を余すことなく享受し、子どもをもつ人もいるが、ひとつ屋根の下では暮らさない。

多くの人は「だったら、わざわざ結婚する意味などないのでは?」と考えるかもしれない。しかしLAT婚のカップルはこうした取り決めについて、伝統的な結婚よりも確かな誓いの証しだと主張している。

2018年に学術誌『Advances in Life Course Research』で発表された論文では、LAT婚のカップルが自分たちの結婚について、法的義務や社会的義務によって維持されるのではなく、真の、心からのコミットメントの上に成り立っていると信じていることが明らかになった。

宗教的な約束であれ、法的な契約であれ、あるいはふたりが単に合意したのであれ、どんな結婚でも相互に利益があるべきだ。結婚は双方にとって満足できるものであるべきだし、自分たちのニーズを守るために伝統を曲げることが必要なら、そうした方法も考慮する価値があるかもしれない。結局のところ誰かの幸せでなく、自分たちの幸せが大事なのだから。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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