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2025.03.25 09:30

フォーブスが独断で選ぶテスラCEOの「後継者候補」、5人の名前

イーロン・マスク(Andrew Harnik/Getty Images)

ジョン・クラフチック(ウェイモ元CEO)

ジョン・クラフチック(ウェイモ元CEO)Photo by Justin Sullivan/Getty Images
ジョン・クラフチック(ウェイモ元CEO)Photo by Justin Sullivan/Getty Images

自動運転テクノロジー企業ウェイモの元CEOであるジョン・クラフチックも、テスラのCEOに必要とされる幅広いスキルを備えている意外な人材だ。

彼は、アルファベット傘下のウェイモで6年以上CEOを務め、研究開発プログラムから収益を生むライドサービス事業への転換を主導した。また現在は、テスラの競合であるリビアンやドイツのダイムラー・トラックで取締役を務めている。

現在63歳のクラフチックは、スタンフォード大学で工学を学び、マサチューセッツ工科大学(MIT)でMBAを取得した。1984年にトヨタとGMの合弁会社NUMMI(ヌーミ)に初期のエンジニアの1人として採用された彼は、その後フォードに移り、主任エンジニアに昇進。さらに韓国の現代自動車(ヒョンデ)では米国モデルの開発に携わり、最終的に米国CEOとして5年間の販売の拡大を指揮した。

クラフチックは、投資家や世界中の自動車メーカーに人脈を持ち、ウェイモ時代には中国の自動車メーカーとの関係も築いていた。彼の自動車工学や製造、マーケティング、ロボタクシーなどの幅広い分野での知見は、テスラにとって大きな武器となるはずだ。

ホセ・ムニョス(現代自動車CEO)

ホセ・ムニョス(現代自動車CEO)Photo by Harry How/Getty Images
ホセ・ムニョス(現代自動車CEO)Photo by Harry How/Getty Images

ホセ・ムニョスは今年1月に現代自動車グループのCEOに就任したばかりであるため、彼がテスラのCEOに就任する可能性は低いが、その経歴から注目すべき存在に挙げられる。

現在59歳の彼は、以前は現代自動車のグローバルCOOを務め、その前は15年にわたって日産に在籍し、北米事業のトップなどを歴任していた。ムニョスは、トヨタの欧州部門にも5年間勤務した経歴を持つ。

また、現代自動車とその関連会社の起亜は、テスラにとってEV分野の競合であり、近年は米国などの市場に多数の新型車両を投入している。現代自動車は間もなく、ジョージア州の新工場を稼働させる予定で、EVやバッテリーを製造し、市場の需要に応じて生産体制を柔軟に切り替える。また、そこで生産されるIoniq 5の一部は、ウェイモのロボタクシー車両にも使用される予定だ。

ここに紹介した5人は、いずれもテスラのCEOとして有力な候補だと考えられる。しかし、仮にマスクがその職を退いたとしても、彼の影響力は、依然として非常に大きいと予想されるため、このポストは魅力に欠ける可能性がある。

前出のガーバー・カワサキのガーバーは、テスラが新たなリーダーを迎えた方が望ましいと考えている一方で、その可能性は低いと見ている。「テスラの取締役会はこれまで、イーロンから会社を守るために何もしてこなかったし、ナンバー2もいない。今のイーロンはすべてエゴで動いている」とガーバーは語った。

forbes.com 原文



編集=上田裕資

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